アリアハンのオルテガ

リビングでは横島とシャオが並んで座り、向かいにアリスが座っている


シャオは少し緊張した様子で大人しく座っているが、アリスは興味深げに横島を見つめる


(やっぱりこの子からなにか感じるな…)

横島はアリスの瞳になにかを感じている


「俺の顔になんかついてるか?」

横島はアリスに見つめられ、不思議そうに聞く


「あなたのような人は初めてです…。 なにか他の人とは違う気がします」

アリスは不思議そうに答える

アリス自身、よくわからない感覚を話してるらしく、首を傾げながら話す


横島の瞳が一瞬驚きで染まる

横島もアリスになにかを感じたように、アリスも横島になんかを感じていることに…


辺りに微妙な沈黙が走る

アリスは悪気は無く、感じた印象を話しているだけだし、横島も特に表情に変化が無い


「ただいま」

沈黙を破ったのはオルテガの帰宅であった


「おかえりー! お父さん! この前の人を見つけたよ~」

アリスは嬉しそうにオルテガに駆け寄る


「相変わらず、アリスは凄いな~」

オルテガはアリスを誉めて横島を見る


「私はオルテガと申します。 危ないところをありがとうございました」

オルテガは深く頭を下げると、横島はオルテガに合わせて立ち上がる


「頭を上げて下さい。 たいしたことしてませんから…。 それに俺が手を貸さなくても大丈夫そうでしたし…」

横島は突然頭を下げられて、少し驚いている

シャオから聞いた話だとかなりの立場の人間だ

そのオルテガが何の迷いも無く頭を下げたのだから


「確かに助ける自信はあった…。 だが、リスクもある。 妻子を危機にさらすリスクを回避出来たのは貴公のおかげだ。 本当に感謝している」

オルテガは再び頭を下げるが、横島はオルテガの実力以上に人間性に驚きを感じる

これだけの実力を持ちながら、確かな人間性…

横島はオルテガの強さの真髄を見た気がした

この人ならば、実力に振り回されることは無いだろう


一方シャオは、オルテガの登場で緊張で固まっている


それからオルテガや横島達は、自己紹介をして昼食を食べながら、次第にリラックスしていく


「お父さん! この人不思議なの… 他の人には無いなにかを感じるの」

アリスはニコニコとオルテガに先ほど感じたことを話す


「ほ~、やはりかなりの実力をお持ちのようだ」

オルテガは感心したように横島を見る


「もしかして娘さんは、何か不思議な力をお持ちですか?」

横島は少し遠慮がちにオルテガに聞く


その瞬間オルテガの表情が困ったようになる


「お父さん、この人達はいい人だよ!」

オルテガの気持ちを感じたのか、アリスが笑顔で話す


「お前がそう言うなら大丈夫だろう。 横島殿、娘アリスには小さな頃から不思議な力がある…。 まだ子供ゆえ安定はしてないが、人に見えないモノを見て、人が感じないモノを感じる。 だが、これは他人は知らないのだ。 お二人も他言しないでくれ」

オルテガはアリスに言われて説明する


(オルテガさんがアリスの言葉を完璧に信じてる。 それだけ感じるモノが確かな訳か…)

横島はアリスに何らかの力があるのを確信する


「わかりました。 他言はしませんよ」
 
横島は笑ってアリスを見て、シャオも静かに頷く


それからはお互いにいろいろな話をした

横島はシャオと出会ってからの話をして、旅をしていることを話す


「しばらくアリアハンにおられるなら、我が家に滞在してはどうですか? 部屋は余っておりますし…」

話を聞いたオルテガは、恩返しをしたいと横島達に進める


「いや… そこまでして頂くと、逆に心苦しいですよ」

横島は苦笑いして断るが…


「私の家が嫌いなの……」

アリスは悲しそうに横島を見つめる


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