アリアハンは本当に広い街だ


横島達は市街地に入ってから１時間は馬車に揺られて、やっと宿屋や店が多い地区に到着していた


「宿屋って言ってもたくさんあるな…」

横島達はたくさんの人の波に流されながら、店を眺めて歩いている


「どんな宿にしますか？ 高い宿から手頃な宿までたくさんありますが…」

シャオは横島とはぐれないように、横島の手を握って引っ張っている


「シャオの知ってる宿でいいよ。 俺はこだわり無いしな」

そして、横島はシャオに連れられて宿屋に行く

シャオの知ってる宿屋は、商人や旅人が泊まる宿屋であった

長期滞在する人も多く値段も手頃だ


横島達は２週間泊まることにして、部屋に入る


「綺麗な部屋だな～」

３階の部屋からは、アリアハンの街並みが良く見え、値段の割にはいい部屋である


「シャオ、お金はいくらある？」

横島はこれからの計画を考える為に、シャオに持ち金を聞く


「う～ん…、５４８ゴールドです。 当面は大丈夫ですけど、もう少し貯えは欲しいですね」

シャオはお金を出して数えて話した


（アジトには金塊はあるんだが…、金塊なんて換金したら怪しいよな～ それにこの世界で使う金はこの世界で稼ぎたいしな…）

横島はしばらく無言で外を見ながら考えている


「横島さん、お金を稼ぐなら冒険者ギルドに登録したらどうですか？ 横島さんなら商人の護衛や盗賊退治とか問題無さそうですし…」

シャオは横島の考えの邪魔をしないように、しばらく待ってから自分の考えを話す


「冒険者ギルド？」

横島は初めての話にシャオを見て聞く


「はい、冒険者のほとんどは冒険者ギルドに登録してます。 一般人と冒険者を繋ぐ仲介組織です。 レベルやランクにより、斡旋して貰える仕事は違いますが、一般的な冒険者でも危険な分報酬は高いようです」

シャオはなかなか博識なようで、横島に説明する

横島はそんなシャオに感心しながら聞くが…

本当は、この世界で冒険者ギルドは有名なのだ

辺境の町や村でも報酬を出せば来る。


冒険者は質の悪い連中も多いのだが、冒険者ギルドに登録している冒険者は比較的ちゃんとした人が多い
　
城の兵士などより頼りになり、人気なのだ


「そうか～ ２～３日観光してから行ってみるか」

横島とシャオは当面の計画を考えながらその日は長旅の疲れを癒やす


次の日、朝食を食べた横島とシャオは、アリアハンの観光と付近の店を探す為に出かける


宿から少し歩くと市民達で賑わう市場があった

道の通りの両端にたくさんの人が作物や肉や魚、そしてモンスターの肉やなんかも数多く並んでいる

この世界の作物などは横島には珍しい物ばかりで、いろいろ見ながら歩いていく


「ウルの実がありますねー！ 私大好きなんです！」

シャオは市場を楽しそうにキョロキョロと見回す


「一つ食べてみるか。 おばちゃんウルの実を２つ！」

横島はウルの実を２つ受け取り１ゴールド渡す


「はい、お釣りだよ」

店のおばちゃんは銀貨を横島に数枚渡した

横島とシャオは歩きながらウルの実を食べる


シャリッ！


「うーん、食感はリンゴだな。 味はみかんに近い。 美味しいな」

「リンゴにみかんって何ですか？」
シャオは横島が言ったリンゴやみかんを知らない


「リンゴやみかんは果物だよ。 今度食わせてやるよ」

「はい！ 果物は好きなので楽しみです♪」

シャオは知らない果物を食べれるのが嬉しいようだ


それから横島とシャオはアリアハンを観光していく

市街地の大通りに出ると、城が見えて来た

「あれがアリアハン城です。 湖の真ん中に立つ城ですよ」

シャオに説明されて横島は、アリアハン城を眺める


「大きな城だな～」

湖の真ん中に立つ城は綺麗でかなり立派だった