その一

「本気だよ。 ネギは美形だろ? モテてるの見たら羨ましいよ」

横島は真顔で答えた


木乃香、刹那、夕映、明日菜は元より、話を聞いていたクラスメートも呆れていた


「横島さんは相変わらずやな~ 自分が好かれてるなんて思ってないんやもん…」

木乃香は小声で刹那、夕映、明日菜に話した

「本当ですよね… いったいどんな環境で生きてきたのでしょう…」

刹那も苦笑いして答えた

「横島さんは彼女とか出来たことないのでしょうか…?」

夕映はあまりに鈍感な横島に首を傾げて考えていた


横島の彼女…


その言葉に木乃香と刹那はつらそうな顔をした


彼女達は前に横島が話した、今は亡き彼女を知っているのだから…

そして幻か夢かわからなかったが、彼女らしき人物に会ったのだから…


「でも、横島さんなら彼女居たんじゃないの? 今だってモテてるし… 過去もモテそうだけど…」

明日菜は夕映の話に答えた


明日菜の言葉に現実に戻った木乃香と刹那も含めて、考えていた

「横島さんの彼女はどんな人だったのでしょうね…」

横島のいろんな顔を知る夕映は、それが気になっていた

夕映の疑問になんとも言えない、木乃香と刹那


「かなり積極的な人だったんじゃないの? あの鈍感じゃ普通にアプローチしても無理よ?」

明日菜は笑いながら話した


一方不思議そうに周りを見る横島に

クラスメートは呆れて見ていた


横島も木乃香や刹那や夕映など、いつも周りに女の子がいて、十分モテモテに見えるのだから…


「鈍感もあそこまで行くと罪よね… 木乃香達も大変だわ」

ハルナがクラスメートにそう話していた


そんな中、ハルナが思い出したようにやってきた

そして、ネギが古に告白しようとしているとハルナが騒いでいた


「それで、委員長達が殺気だってるんだな…」

横島は苦笑いしていた

「アハハハ ないない ないって… 本屋ちゃんならともかく、くーふぇとネギなんて」

明日菜も笑って否定していた


「でもハルナがほとんど絶対確定だって…」

周りに居た美空が明日菜に聞いてきた

「うーん、パルの情報は怪しいからな~」

明日菜は苦笑いしていた


「俺もそう思うぞ? ネギにそんな余裕無いと思うがな~」

ネギが魔法使いなのを知るメンバーは告白は有り得ないと思っていた


「とにかくもうちょっと様子みよ くーふぇにも言わない方がいいよ」

ネギの保護者にされている明日菜がハルナ達を収めた


ボーリング対決の結果は…

古が300

あやかが269

まき絵が229

のどかが17


だった…


「勝ちー!!」

古は勝ち名乗りをあげて喜んでいた


あやかは頭から煙りを出して気絶しているし

のどかはオロオロしていた

まき絵はネギの手を握りしめて…


「ネギ君の恋、私応援するからね…! 頑張って!」


目に涙を浮かべてそう話した

ネギは言われた意味がわからずに呆然としていた


そしてまき絵はすぐに走り出して…

横島に抱きついていた!


「今日から横島先生一筋だからね!」

まき絵は笑顔で横島に話した

「はっ…?」

今度は横島が不思議そうに首を傾げた


まき絵の中ではネギへの恋を譲って、横島に慰めて貰おうと考えたらしい…


「よくわからんが、元気だせ… ネギは告白はしないよ」

横島はまき絵の話を理解出来なかったが…

頭を撫でて優しく話した


そのまき絵は…嬉しそうに撫でられていた…


一方、横島の周りの木乃香達は…

新たに現れたまき絵に嫌な予感をしていた…

「まき絵ちゃん… まさか横島さんが…」

明日菜は顔をひきつらせていた

「またライバルが増えたな~ せっちゃん」

木乃香は笑顔だが…
微妙に困っていた

「ええ、お嬢さま… 横島さんの、誰にでも優しくする癖は治らないのでしょうか…」

刹那はため息をついて話した

どうも横島は、弱ってる人や悩んでる人ををほっとけないらしい…

横島は見た目も美形ではないが、悪くない…

しかも包容力と優しさが半端でないため…

弱っている時に優しくされたらヤバいのだ…

「一番の問題は本人の無自覚です… 本人は全く下心がなく、助けたいだけだからですね…」

少しあきれ気味に夕映が話した


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