その一

茶々丸が話すと夕映は安心したように話し出した

「実は… 明日菜さんと木乃香が惚れ薬入りのチョコを食べてしまいまして…」

茶々丸は大体の状況を理解して一行を中に入れた

横島とエヴァは木乃香達の状況にどうしていいか困惑していた…


「横島… お前が来てから、最近変なことばかりだな…」

エヴァは疲れたように話した

「俺のせいか?」

横島は困ったように言った


そんな中、夕映が横島とエヴァに説明した

「そうか… 大丈夫だ! 俺は君たちがどんな恋愛をしても差別したりはしないから」

横島は暖かい眼差しで話した

その話にエヴァは必死に笑いをこらえている

「横島さん! そんな話じゃないんです! 知らないで食べちゃったんです!」

刹那が泣きそうになり、必死に否定する

「大丈夫だって、俺は刹那ちゃんや木乃香ちゃんの味方だよ」

横島は全然理解してなかった


それから夕映が一から説明してやっと横島は理解した


そして文珠で明日菜と木乃香を治療した

「全く… カモ、惚れ薬なんてその辺に置くなよな…」

横島は呆れたようにカモを見た

カモはすでに明日菜によってお仕置きされて気絶していた


木乃香と刹那は横島の誤解を解けてほっとしていた

「危なかったですね。 お嬢さま」

「本当や! ウチとせっちゃんが好きなのは…」

二人は横島を見つめて顔を赤らめる


エヴァは面白かったらしく、機嫌よく笑っていた

「全く! エロガモはロクなことしないんだから!」

明日菜はまだ怒っていた


そんな中、真剣な表情のネギが横島とエヴァを見て頭を下げた

「僕を横島さんとエヴァンジェリンさんの弟子にして下さい!」


突然のネギの行動にその場の全員が固まる…


ネギは頭を上げて横島とエヴァを見た


「「無理!」」


横島とエヴァは同じタイミングで言い切った


ネギは一言で片付けられて困っている

明日菜や木乃香達は無言で成り行きを見つめている


「なんで私が貴様を弟子にしなければならないんだ? 私は貴様の父サウザンドマスターに恨みもある。 弟子になりたければ学園長のジジイか高畑にでも頼め」

エヴァは嫌そうに言った

「それは承知です! でも魔法や戦い方を学ぶならエヴァンジェリンさんと横島さんしか居ないと思ったんです!」


ネギは必死に横島とエヴァに話した

横島とエヴァはお互い困った顔になる

「ネギさ… お前と俺やエヴァちゃんでは戦いの考えや理由が違い過ぎるんだよ。」

横島は困ったように話した

「僕は強くなりたいんです! 強くなって立派なマギステル・マギになりたいんです!」

ネギは必死に横島とエヴァに訴える

「それが違うんだって… 俺やエヴァちゃんはマギステル・マギでも正義の味方でもない。 弟子にするってことは弟子の行動にある程度責任を持たないといけない。 でも俺達はお前の行動に責任は持てんのよ… 仮にマギステル・マギになってお前にエヴァちゃんを退治しろって命令が来たらどうする?」


横島はネギを説得するように話す

「そんな… エヴァンジェリンさんを退治するなんて…」

ネギはどちらかを選べない

「そこまで深刻な問題なの? 私も一応横島さんの弟子じゃないの?」

明日菜は首を傾げて不思議そうに話した

「明日菜ちゃんはまだ護身用の範囲だからな… ネギは実際に10才にしては強すぎるんだよ。 それ以上求めるなら力の意味や覚悟が重要になるんだ」

横島は苦笑いして明日菜に説明した

明日菜はわかったような、わからないような顔をして考え込んでいる

そんな明日菜やネギ、そして木乃香達を見てエヴァはため息をつき話出した

「坊やに神楽坂明日菜、それに他の者達も良く聞け! お前達が強さに憧れるのは勝手だが… 私や横島も無意味に強くなった訳ではない。 必要に迫られて強くなったのだ… 力も心も強くなるには理由があるのだ… そして強すぎる力は争いを生む… 自分の力と望みをよく考えるのだ」


エヴァは困り顔の横島に思わず言ってしまった

何も理解してないネギ達に少しでも現実を教えようと…


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