その一

横島は学園長を責めるのを止めた

横島も予想出来ない敵なのだからしかたない


学園長は木乃香の話になると考えだした…

「横島君に任せてもいいかの? 木乃香と仮契約もしてるそうじゃし…」

学園長は意味ありげな笑みを浮かべて話した

「あっ… あれは木乃香ちゃんが…」

横島はしどろもどろに言った

「別に責めてはおらんよ。 ただ、ワシが推薦する者よりは横島君に任せた方が良さそうなのでな…」

学園長は横島の困った様子に一瞬笑みを浮かべた

そして真面目に話した

「俺は力のコントロールは出来ますが、この世界の魔法は使えません。 魔法は実質エヴァちゃんに教えてもらいますがいいですか?」

横島は真剣な表情で学園長に聞いた

これだけは最初に確認しておかねばならなかった

エヴァの立場は微妙であり、彼女もあまり目立つのは好ましくない

「かまわんよ。 婿殿も本人が望めば魔法を教えてかまわないと言っておったしな… それに横島君とエヴァ以上の先生は居ないからのう」

「わかりました。 では木乃香ちゃん達に魔法を教えていくことにします。 では白髪の少年の調査はお願いしますね。」

横島は学園長に頭を下げた

「うむ、木乃香達の護衛も頼む。 出来ればネギ君も頼みたいのだが…」

学園長は申し訳無さそうに小さな声で話した


「……まあ、時と場合によりますが、学園内での問題なら、命だけは守りましょう…」

横島は最大限に譲歩して了承した


「それでかまわんよ。 すまんの… ワシらも人手が足りなくての… しばらくは夜の警戒も厳しくせねばならないしの…」

学園長は疲れたように話した

「修学旅行の一件もネギの一件も貸しですからね」

横島は満面の笑みで貸しを強調した

学園長ほどの実力者なら貸しをたくさん作っておいて損は無かった

学園長は横島の笑顔にちゃんとびびっていたが了承するしかなかった

横島は学園長に頭を下げて帰っていった…


それから横島はエヴァの家に行った


「茶々丸ちゃん、おはよう。 修学旅行の時はいろいろありがとうな。 なんかお礼したいから、望みがあったら言ってよ」

横島は出迎えた茶々丸に笑顔で話した

「おはようございます。 横島さん 望みですか… 考えてみます。」

茶々丸は首を傾げて考えて話した

普段なら断るのだろうが、何故かすぐに断らなかった

横島は家に入って、茶々丸の入れたお茶を飲んで

エヴァに木乃香達の魔法のことを話していた

「私が教えるのか?」

エヴァは少し嫌そうな顔をした

「とりあえず基礎を頼むよ。 他に頼める人居ないんだ。 一応俺と仮契約してるからさ~ 他の魔法先生に頼むのマズいしさ」

横島は苦笑いしてエヴァに頼んだ

エヴァは仮契約の言葉に一瞬顔色が変わるが横島な気が付かない

「まあ… お前の気持ちもわからんではないが… 魔法使いとあまり関わらせたくないのだろう?」

エヴァは面白くなさそうに話した

「まあな… 彼女達はまだ子供だ。 大人の争いやしきたりに関わらせるのが嫌なんだよ」

エヴァは相変わらずな表情だが納得はしていた

「わかったよ。 いいだろう 私が教えよう」

なんだかんだ言っても横島もエヴァも甘かった


そして横島は少し遅い昼食を茶々丸にご馳走になっていた

「茶々丸ちゃんも料理うまいな~ 木乃香ちゃんもうまいし、最近の中学生は凄いな~」

横島は笑顔で茶々丸に話した

横島には茶々丸がガイノイドなのはあまり関係無かった

「お褒めに預かり光栄です。」

茶々丸は嬉しそうに話した


エヴァはそんな二人を面白そうに見ていた


そして… また問題がやってくる

ピンポーン

呼び鈴がなり茶々丸がドアを開けると……

不思議な空間があった

ネギは困ったような顔だし、カモは面白そうにニヤけていた

明日菜はネギをチラチラ見て、頭を抱えている


木乃香は刹那に抱きついてスリスリしながら、好きだと言っていた

刹那はどうしていいかわからず混乱していた


そんな中困った様子の夕映とのどかが居た


さすがの茶々丸も状況を理解出来ずに困った

茶々丸が困って固まっていると夕映が話し出した

「あの~ 横島さん居ますか? 家に居ないのでこちらかと思ったのですが…」

茶々丸は夕映は普通だな~

と思った

「横島さんは中に居ますが…」

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