その一

目を開けるとそこは一面の砂漠と綺麗な星空だった…

(…あれ? ここ…どこ?)

明日菜は目を覚ますと知らない場所だった

「起きたか 嬢ちゃん」

渋いオジサマが私を呼んでる


(これ…私…? 小さい頃の…私…?)

明日菜は顔を洗おうと水辺に行くと、子供の頃の自分が写っていた…


(キレイな星空… 何で私こんな所に居るんだろう)


小さい明日菜は空を見上げていた

「帰ったぜー」

「おっと早かったな」

明日菜の目の前で渋いオジサマと話をしている人がいる…


「お♪ お早いお目覚めだな 向こうの空見てみな アスナ 夜明けがキレイだぜ」


彼は明日菜の目の前に居た

明日菜は彼を知っていた…

彼は…


ネギの……



「変な夢…」

明日菜は目を覚ますといつもの布団に居た


修学旅行から帰って最初の日曜日


明日菜は新聞配達の後、二度寝していた

近くではネギが何やら勉強していた

「帰ってきて早々 何カリカリやってんの ネギ」
「おはようございます アスナさん」

アスナはいつの間にかネギとカモの家になったロフトに移った


明日菜はネギの机の上にあるチョコを食べた…


「長さんからもらった手がかり調べてたんです」

ネギは地図を広げて明日菜に説明した

「あ そっか! で結局何だったの?」

明日菜は地図を覗き見た

「驚いて下さい! 実はこの学園の地図の束だったんです 父さんが最後にあの部屋に来た時、研究してたものだそうです」

ネギは嬉しそうに話した

「えーっ 麻帆良学園の地図!? なな、何でよ?」

明日菜は驚いてネギに聞いた

「わかりません 暗号で書かれてて… 今解読しようとしてたんですが… どうも…」

ネギは笑顔で説明した

「ふーん… あんたなんか妙にウキウキしてない?」

明日菜はネギの表情が気になった

「あ… えへへ 悪い人や強い敵とかもいて 大変でしたけど… 父さんの家も見れて 手がかりも見つけられたし、なんか僕すごくやる気が出て来ちゃって…」

ネギは明日菜の夢に出て来た人と同じような笑顔で明日菜を見つめた

「見てて下さい。 アスナさん! 僕頑張りますから」


その言葉に明日菜の顔がほんのりと赤くなる…



その頃横島は…


学園長室に居た

「学園長… 今回の事件は学園長のミスですからね… あんな連中と戦うハメになるなんて…」

横島が厳しい視線で問い詰めると学園長は額に汗を浮かべていた

「いや~ 済まなかったの~ まさか、リョウメンスクナノカミまで呼び出すとは… それに怪しげな白髪の少年か…」

学園長はため息をついて話した

学園長は予想より遥かに大きな敵に、実際冷や汗ものだった…

「今回の事件は天ヶ崎千草が主犯ですが、白髪のガキは別の目的で動いていたと見ていいでしょう」

横島は真面目な顔になり自分の予想を学園長に話した

「狙いはネギ君かの…?」

学園長も真面目な顔になり考え始めた

「恐らくは… そうでしょう… 前回は様子見だったので乗り切れましたが… 本気で来たらネギでは無理でしょう」

横島は困ったように言い切った

「婿殿からも聞いたが、横島君やエヴァくらいの強さが無いと勝てないとは… 正直辛いの… この学園も高畑君以上の人材はおらん。 高畑君でも勝てるか怪しいとなると…」

学園長は困ったような表情で考え出した

「おかげで俺まで連中に目を付けられましたよ。」

横島は抗議の目線を学園長に向けた

「すまんの~ 横島君が出来るだけ目立たんようになんとかしよう…」

学園長は横島に頭を下げた

横島はため息をついたが、過ぎてしまったのはしかたない

正直、横島もあれほどの敵が居るとは思わなかった

やはりフェイトが予想外だった


「まあ、みんな無事帰って来れて良かったですよ。 話が変わりますが、木乃香ちゃんと夕映ちゃんが魔法を覚えたがってます。 特に木乃香ちゃんは強引に魔力を使われた為、魔力が目覚めてます。 早急に魔力のコントロールと使い方を教えないと危険ですが、どうしますか?」

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