そして英雄と言うモノがいかに本人を苦しめるか…


一番理解していた


理由は知らないが、ネギの父ナギも今は行方不明…


彼もきっと想像を絶する体験をしたのだろう…


横島は写真のナギを見て考えていた


そしてネギが周りの人間により、同じような英雄と言う生け贄にされそうな現実に心が痛くなる…


そしてそんな複雑そうな横島を木乃香、刹那、エヴァ、茶々丸は静かに見守っていた


「天ヶ崎千草の両親もその戦で命を落としています 彼女の西洋魔術師への恨みと、今回の行動もそれが原因かもしれません…」

詠春の話にネギは複雑そうな顔になる

ネギにとって敵の戦う理由を知るのは複雑な気分だった…



「私と彼はあの戦以来、無二の友であったと思います しかし…　彼は１０年前突然姿を消す…… 彼の最後の足取り、彼がどうなったかを知る者はいません ただし公式の記録では１９９３年 死亡……」

詠春は申し訳なさそうにネギを見た

「それ以上のことは私にも… すいませんネギ君」


「い いえ そんな ありがとうございます」

ネギは父の話を聞けて嬉しそうだった


「結局手がかりなしか… 残念だったな兄貴」

カモはネギを慰めた

「ううん そんなことないよ カモ君 父さんの部屋を見れただけでも来たかいがあったよ」


それから朝倉がやってきて、一行は一緒に写真を撮った

真ん中にはネギと横島が居て、周りにみんな集まった



そして一行が帰る時…


詠春が横島に話しかけてきた

「横島さん… 今回は本当にありがとうございました」

詠春は横島に頭を下げた

「気にしないで下さいよ。」

横島は苦笑いして詠春に話した

詠春は真剣な表情で横島を見た

「いろいろ事情があるでしょうが… 木乃香と刹那君をお願いします。 木乃香はその大きな魔力で、刹那君はその生まれもった生い立ちゆえ… あの二人にはこれからも試練が待っているかもしれない… だが私は側で助けてはやれない…」

詠春はつらそうな表情で横島に再び頭をさげた


詠春は自分が守ってやれないのがつらかった

横島はそんな詠春を複雑そうに見た

「いつか…　俺の存在が彼女達を苦しめる日が来るかもしれない… それでもですか？」

横島は静かに詠春に語りかけた


「二人は横島さんを必要としています。 そして横島さんにも二人は必要なはずだ… たとえ苦しくても二人が望むなら側に居てやってほしい…」


横島は詠春の話に驚いた

自分の心を見抜かれていたことに…


この数ヶ月
木乃香や刹那の存在が、孤独を生きてきた横島を癒やしていた


詠春は横島にとって二人が大切な存在になってきているのを見抜いていた


横島は苦笑いした

自分は他人から見てもわかるくらいに変わったのかと…

かつての仲間と再び巡り会うまで新しい仲間を見つけるつもりは無かった

だがたった数ヶ月で変わってしまった

いくら力を得ても結局自分は自分なんだと改めて理解した


「わかりました。 当分は彼女達を見守っていますよ」

横島は詠春と握手を交わして別れた



詠春は若い二人と横島の幸せを願ってやまなかった


次の日
波乱に満ちた修学旅行は終わり

一行は帰りの新幹線の中に居た


ネギは明日菜に寄りかかってグッスリ寝ていた


「あら… 見てくださいよあの二人… まるでカワイイ恋人みたい」

しずな先生と新田先生が二人を見て会話していた

「いやあ～ まだまだ子供ですよ」


そして横島は…

木乃香と刹那に挟まれて座っていた

二人は幸せそうに微笑み横島に寄りかかって寝ていた…


横島もそんな二人に挟まれて安らいだ表情で眠っていた…


「あら～？ こっちも幸せそうね～ 両手に華ね」

「全く教師まで寝てしまうなんて…」

しずな先生は楽しそうに見つめ

新田先生は困ったように話した

新田先生も横島がネギのフォローで大変なのを知っているため起こさなかったが…



この修学旅行はネギ達だけでなく…

横島達にとっても大切な思い出になった…


そしてこの後
夕映やエヴァや茶々丸も含めて、横島の周りは賑やかになっていく……