その一

「神鳴流奥義 百烈桜華斬!!」


詠春は久しぶりの実戦でも、素晴らしい動きで敵を倒していく


対妖怪や鬼は神鳴流の得意とする戦いだった


「やれば出来るではないか… 詠春。 やはりあの白髪のガキが特別か…」

エヴァは戦いながら詠春に話した


「はい、あの少年はあまりに強い…。 一体何の目的があるのか…」

詠春は不安そうな表情で考えながら戦っていた


「奴に何の目的があっても関係ない。 頭がキレるが一つ間違いをした… 横島を本気で怒らせたことだ」

エヴァはニヤリと笑った


「彼なら木乃香を助けてくれるでしょう。」

2人はまた敵を攻撃していった

それは圧倒的だった…


数百匹いた敵がみるみる減っていく



その頃千草は鬼神召喚の儀式を始めようとしていた

千草は木乃香を台に乗せて話しかけた


「ここには危なすぎて今や誰も召喚できひんゆー巨駆の大鬼が眠っとる… 18年前に一度暴れた時には、今の長とサウザンドマスターが封じたらしいけどな。 それをお嬢さまの力で召喚出来る。 制御出来るかは五分五分やけど、他に方法が無いんや…」

千草は木乃香に近づいて話を続ける

「ご無礼お許し下さい。 お嬢さま… 死ぬことはあらへんハズや… 多分な…」

千草はそう話して召喚の儀式を始める

木乃香は自然と不安は無かった

助けが来る

理由は無いがそう感じていた…

そして横島や刹那の顔が浮かんでいた



一方ネギとアスナは杖で空を飛んで急いでいた


「兄貴! 感じるか! この魔力! 奴ら鬼神の召喚を始めやがったぜ!」

カモはネギに捕まりながら叫んだ

「わかってる! 木乃香さんは必ず取り返す! カモ君、アスナさん、捕まって!」


「加速!!」

ネギは杖のスピードをあげた

アスナを乗せているせいか杖は安定しなかったが、それでも必死に乗りこなしていた


その時…

「ネギ! 後ろから昼間の黒い犬が来たわ!」

アスナが叫んでネギが見ると狗神が迫っていた

「風楯……」

ネギが魔法で防御しようとしたが間に合わない

「キャッ!」

ネギとアスナが打ち落とされた

「ここは通行止めや!! ネギ!!」

落とされたネギとアスナとカモが前を見ると小太郎がいた


「コタロー君!!?」

ネギが小太郎を見ると、小太郎は襲いかかってきた


「ちょっとあんた! 今はそれどころじゃないの! 邪魔しないで!」

アスナは小太郎を睨んで叫んだ

「コタロー君! 何であのお猿のお姉さんの味方をするの!? あの人は僕の友達をさらってひどいことしようとしてるんだよ!」

ネギとアスナは小太郎に戦いを辞めるように話す

「千草の姉ちゃんが何やろうと知らへんわ 俺はただイケ好かん西洋魔術師達と戦いたくて手を貸してるだけや」


小太郎はネギを指差した

「けど… その甲斐あったわ!! お前に会えたんやからな! ネギ!! 嬉しいで! 同い年で俺と対等に渡り合えたんはお前が初めてや さあ… 戦おうや!!」

小太郎はネギと戦いたくてウズウズしていた


ネギは小太郎を説得しようとするが、逆に挑発されてしまう…

「ここを通るには俺を倒すしかない! 俺は譲らへんで!! 全力で俺を倒せば間に合うかもしれへんで!? こいやネギ!!  男やろ!」

小太郎の挑発にネギは乗ってしまう…


「アスナさん… カモ君… 一分で片付ける!」


ネギは小太郎と戦おうとしたが…


パシッーン!


ネギの頬をアスナが叩いていた


「アスナさん…」

ネギはいきなりアスナに叩かれて呆然としていた


「ネギ… まだわかってないの? 私達は木乃香を取り返さなきゃだめなんだよ… 何のためにエヴァちゃんや詠春さんが残ったの? ここで力を使って木乃香を取り返せるの? 横島さんに言われたこと何もわかってない… 私達はみんなで生きて帰るの!! 男とか… 魔法使いとか関係ないのよ!!」


アスナは本気で怒っていた…


「私は先に行くわ。 あんたは勝手にしなさい」

アスナはネギを置いて行こうとした


「アスナさん! 僕も行きます! コタロー君、攻撃したければすればいい… 何があっても僕は戦わない!」

ネギは決意を込めた目線を小太郎に向けた
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