その一

横島は否定せずに話し始める

「俺が甘かった。 奴の異質な力を知っていたのに… 俺もいつの間にか平和ボケになってたんだ。 木乃香ちゃんだけは必ず取り返す! 俺の全てをかけて…」


横島は自らの力を封じる指輪、腕輪、ネックレスを外した


「そうか… なら私も好きにさせてもらう。 貴様より先に木乃香を取り返せば済むのだろう?」


エヴァは自信に満ちた悪の笑みを浮かべて話した

「エヴァンジェリンさん私も行きます!」

刹那がすぐにエヴァの話に賛同する

ネギ、アスナも、もちろん行くつもりだ

「お前ら…」


横島は言葉が出なかった

エヴァ達の覚悟がわかったから…

そんな時
詠春が静かにまえに出て横島に語りかけた


「横島君、私達を信じてもらえないか? 君が何を恐れてるか理解しているつもりだ… だが、私達も黙って待っていることなど出来ない みんなで力を合わせればきっといい結果になる」


詠春は横島の姿にナギを見ていた


後先考えずに他人の為に命をかける…


そして自分で苦難を背負い、周りの人を救おうとする


英雄と呼ばれた馬鹿者

ここにも同じ馬鹿者がいる…


そんな馬鹿者と娘を助ける為には、自分も戦う


詠春も決意してしまった


横島はそんな人達を見て、落ち着きを取り戻していく…


「みんな馬鹿だな… 命の危険があるかもしれないんだぞ? 奴は普通じゃない」

横島は苦笑いして話した


「一番馬鹿な奴に言われたくない。」

エヴァが横島に突っ込むとネギ、アスナ、茶々丸は頷いていた


「わかった。 俺の負けだ… みんなで行こう ネギ、学園長に連絡してエヴァちゃんが戦うことを伝えろ! じゃあ追うぞ!」


横島、刹那、エヴァ、茶々丸、ネギ、アスナ、カモ、詠春は木乃香を追って走り出した


横島は封印の装備を外した為、力を抑えながら敵を心眼で見つけていた


封印は外すだけでは普段と変わらない


横島の真の力は
神、魔、人、妖の力を自在に操れる能力だから…


力を個別にも融合することも可能なのだ

そして全ての力を融合させれば…


力の自在なコントロール

それは文珠の
横島自身の能力の最終形態だった


「横島さん! 学園長には連絡しました!」

走りながらネギは学園長に報告していた

その時横島の電話が鳴る

「横島さん! 無事ですか! みんなが石にされました!」

電話は夕映だった


「夕映ちゃんは無事なんだな? 今は何処だ?」

「はい、朝倉さんが逃がしてくれました! 私は森を走ってます。」

横島は心眼を駆使して夕映を探す

夕映は横島達が向かっている途中に居た
その周りに敵は無く安全だった


「すぐ行くからそこで待ってろ!」


そしてしばらくして見つけた夕映を横島は抱きかかえて走り続ける


そして横島達はフェイトに追いついた


そこには千草もいて、眠っている木乃香を式神が抱えていた

「天ヶ崎千草! 娘を返してもらう! 明日の朝にはお前を捕らえに応援も来る。 無駄な抵抗を止めて投降するがいい!」


詠春は千草に叫んだ

「おや? 長じゃないですか? 応援がなんぼのもんじゃ… あの場所さえ行けば…」

千草は馬鹿にしたように詠春に話しかけた

「あの場所…? まさか… あの鬼神を召喚するつもりか!! あれは人間が制御出来るものじゃないぞ!!」

詠春は慌てて叫んだ

しかし千草は笑っている

「お嬢様の力を使えば、召喚だけは出来るはずや… 後はどうにかなるやろ?」

千草は勝ちを信じて笑みがたえない


「天ヶ崎千草… 鬼神だろうがなんだろうが関係ない。 お前の負けは決まってる」


横島は冷たく殺気に満ちた目で千草を睨む


「口だけは立派やな… あんたらにお嬢様の力を見せてやるわ」

千草は木乃香に触れて呪文を唱えた


木乃香が光り出し、木乃香の力を利用して数百匹の鬼達を呼び出した


「木乃香!!」

アスナと詠春が叫んだ


「あんたらはその鬼達と遊んでてもらおうか? ああ、長と横島だけは死んでもらうわ」


そう言ってフェイトと千草は木乃香を連れて逃げていった


「坊や、風の障壁をはれ」

ネギはエヴァに言われたとおり風の障壁をはる


「ラス・テルマ・スキル・マギステル 逆巻け 春の嵐 我らに 風の加護を」

60/100ページ
スキ