その一

横島達がシネマ村をブラブラしていると…


同じシネマ村に来ていた

雪広あやか、朝倉和美、村上夏美、那波千鶴、長谷川千雨

彼女達と出会った


「横島先生モテモテじゃん! 木乃香さんに刹那さんをはべらせてさ~」

朝倉が横島達を見てあやか達に話していた


木乃香と刹那はなんだかんだ言いながら、横島の隣にくっ付いていた


エヴァと茶々丸は近くを歩いていて、夕映が少し羨ましそうに見ている

ハルナはニヤニヤしながら横島達を見て楽しんでいた



そんな中
刹那が横島にそっと話しかける


「横島さん、ネギ先生達は無事罠を抜けました。 のどかさんに魔法がバレましたが、関西呪術協会の本山に向かいました」

刹那の話に横島はほっとした

先ほど文珠が発動したのを感知していた為だった


「ギリギリだったらしいな… 後はこちらだな。 敵が3人近くで監視している。」


横島の卷属数匹は今も上空から敵を監視していた


「まさか敵も逆に監視されているとは思わないでしょうね」

刹那は感心したように話した

「化かし合いで横島に勝つのは難しいよ。」

横島の後ろで話を聞いていたエヴァが呟いた


「人の裏を読むのは得意だからな。 だが力押しで来られたら辛いな…」


横島は困ったように話した

この世界は魔法を隠匿している

一般人やクラスメイトのいる場所で来られると不利だった…

無関係な人を守りながら戦うのほど大変なことはない

横島はそう考えて、どうすればいいか悩んでいた


「そこまでするでしょうか?」

横島が考え込んでいると、刹那は横島を見ながら聞いた

「普通はしないだろうな… 魔法がバレると向こうも困るからな。 だが、追い込まれたらどう出るかわからないからな…」


横島自身、楽観的に考えるつもりはなかった

常に最悪の事態を想定して行動する

それが横島が生きてきた戦いの世界なのだから……

横島はエヴァを見た

「白髪のガキが来たら木乃香ちゃんを頼む… 正体がバレても俺がなんとかするからさ」


エヴァはニヤリと笑った

「ああ、私に任せておけ。 魔法を隠すなら私より横島の方強いからな…」


「茶々丸ちゃんも頼むな。」

横島は次に茶々丸を見て話した

「おまかせ下さい。」

茶々丸は気持ち嬉しそうだった


「みんな、ごめんな~ ウチのせいで迷惑かけて…」

木乃香が申し訳なさそうに話した


「私はかまわん。 いい退屈しのぎだからな… 敵も馬鹿だしな。 私と横島を相手にするなら役不足だよ」

エヴァは少し照れているようだった


「気にするなって! 俺にまかせとけ」

横島は優しい笑みを浮かべて木乃香を見つめた

木乃香の顔はほんのり赤くなる



その時、横島達の前に馬車が止まる


刹那が警戒して、横島とエヴァは普通の表情だった


馬車から降りてきたのは昔の貴婦人の姿をした月詠だった


横島は卷属を通して見ていた為知っていたが、敵が力押しに来たのを理解した


「どうもー神鳴流です~ じゃなかったです… そこの東の洋館のお金持ちね貴婦人にございます~ そこの浪人はん達 今日こそ借金のカタにお姫様をもらい受けにきましたえ~」


月詠は扇子を使いながら横島や刹那を見て話していた


刹那と木乃香は驚いて、何のつもりか理解出来なかった

木乃香は目の前の月詠が敵なのは刹那や横島を見て感じていた


そんな中横島とエヴァは月詠の考えを理解して、敵ながら感心していた

「なるほど… わざと人前で見せ物にして芝居のようにするつもりか… 考えたな…」

エヴァが横島達だけに聞こえるように呟いた

「ああ、状況判断も計画も悪くない。 こちらの力を出させないような環境を作り上げて、人ゴミを盾に木乃香ちゃんを攫って逃げる気か…」

エヴァと横島の話で刹那、茶々丸、木乃香も敵の作戦を理解した


「悪いな… 黙ってくれてやる訳にはいかないんだ…」

横島は笑顔で月詠に話した


周りの観光客やハルナ、そしてあやか達はそれを完全にお芝居と思っていた

だが、夕映だけはそれがただの芝居でないと気がついていた…


「横島先生カッコいいわね お姫様を守る凄腕の浪人って感じ いい表情してるわ~」

千鶴があやかに話していた


「相変わらず怪しいわね~」

朝倉は横島達を見て呟いた
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