その一

木乃香と刹那の答えに目の前の女性達は微笑んだ


「ヨコシマの生きる道はとてつもなく険しいでしょう。 もしあなた達が力を求めたら、私達が力を貸しましょう… 」


女性はそう二人に話した

そして周りが少しずつ消えていく…


「ゆっくり話したいけど… もう時間みたい… ごめんなさいね。 勝手な事ばかり言って…」

女性は悲しそうに謝った


「同じ人を愛する女性に会えてよかったえ… また会えたらええな~ またね。 ルシオラさん」

木乃香は笑顔で話した


目の前の女性達は驚いた表情をしたがすぐに笑顔になった


「あなた達なら大丈夫ね。 ヨコシマをお願いね じゃまたね…」

ルシオラがそう話すと全てが消えていった



木乃香と刹那が目を開けると
横島に抱きついたままだった

どうやら一瞬の出来事だったらしい


「お嬢様…」

刹那が木乃香を見ると静かに頷いた


横島はまだ固まっていた


「横島さん、ウチらルシオラさん達に会ったえ… 」

木乃香の話にやっと横島が帰ってきた

「えっ! ルシオラ!?」


横島は木乃香の話を理解出来なかった


「今私達が会って来たんです。 横島さんをお願いされました。 他にも綺麗な女の人が何人もいましたよ」

刹那が混乱する横島に話した


横島はそれでやっと理解した

自分と同化した彼女達に会ったのだろうと…

そしてルシオラや彼女達が自分を心配していたのだろうと……


「ルシオラ… みんな… 」


横島は笑顔だが、静かに涙を流していた…


最早会うことも出来ない人達

だが未だに自分を心配してくれる

それが嬉しかった


木乃香と刹那はずっと横島を抱きしめたままだった

横島は二人の暖かい温もりに現実に戻り、そっと二人を抱きしめた



そうして
横島と木乃香と刹那にとって忘れられない一夜になった



その頃
ネギや生徒達は…


ラブラブキッスで騒いで新田先生にバレて、ロビーで正座させられていた…



そうして翌朝

横島の部屋に
木乃香、刹那、エヴァ、茶々丸、夕映、ネギ、明日菜、カモが一度に集まった


「姉さん達、約束の物出来てるぜ!」

カモがニヤニヤしながら木乃香と刹那にカードを渡した

それを見ていたエヴァがカモを睨む

「小動物、なぜ二人が仮契約カードを作ってるんだ!」

カモは怯えてネギの後ろに隠れる

「頼まれたからやっただけでっせ」


木乃香と刹那は嬉しそうにカードを見ていた

ネギ、エヴァ、茶々丸、夕映、明日菜の視線は横島に向かう…


横島は嫌な汗をかいていた

「ちょっと… 木乃香ちゃん… まかさ昨日は狙ってやったのか…」


横島は珍しくオドオドしながら木乃香に聞いた


「そうやよ。 せっかくのチャンスやからね。 ウチとせっちゃんは横島さんと仮契約したかったんよ」

木乃香は笑顔でニコニコしながら説明した

刹那は少し顔を赤らめて俯いてる


「近衛木乃香、やるな… 油断出来ん。」

「まさか木乃香さんが…」

エヴァと茶々丸は驚きと少し悔しそうな顔で木乃香を見ていた


「すごいわね木乃香…」

「木乃香がここまで積極的に行動するとは…」


明日菜と夕映は親友の積極的な行動に感心していた


ネギは話についていけず呆然としていた

カモは横島の元に行き二人の仮契約カードを渡した

木乃香の仮契約カード

それは陰陽師のような姿をした木乃香がおおぎを持っている姿をしていた

そして
その首には文珠のついたネックレスをしていた


刹那の仮契約カード

それは羽を広げた刹那が着物を着ている姿に二本の刀を持っていた


刹那の首にも同じように文珠ついたネックレスをしていた


「二人にはやられたな… まさか仮契約するとはな~」

横島は困ったような顔をしていたが嫌そうでは無かった


そんな姿を面白くなさそうに見ていたのは
エヴァ、茶々丸、夕映だった


その時カモが余計な一言を話す

「これで大分戦力アップだな! 兄貴ものどかの嬢ちゃんと仮契約したしな!」

その一言に昨日を知らない横島、木乃香、刹那が反応する

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