その一

木乃香は落ち込んだ感じでみんなに頭を下げた

「木乃香ちゃんは被害者なんだから気にする必要はないよ。 俺達を信じてな…」

横島は落ち込む木乃香に優しく微笑んだ

「そうよ! 木乃香は何にも悪くないわ! あんな奴ら気にする必要ないよ!!」

アスナが元気よく木乃香を励ます

「お嬢様は私達が絶対守ります! だからご安心を」

隣に座る刹那は木乃香の手を握り励ます

「みんな… ありがとうな……」

木乃香は励ましてくれた横島達や、無言だが木乃香を気にして見ていたエヴァや茶々丸、みんなを見て嬉しそうな笑顔で答えた


そうして横島は
着いてきたエヴァと茶々丸とホテルの周りに結界を張りに行った


「横島どんな結界を張るんだ?」

エヴァ横島の結界に興味があるようだった

「今日は文珠を使って簡単に済ますよ。 朝までで十分だしな…」

横島は外に出て人に見えない位置に行くと双文珠を2つ作った

【敵/止】【結/界】


横島は神通力を封印していた腕輪を外した
そして神通力だけを少し高めて手のひらの文珠を飛ばした

文珠は横島の意志で自由自在に飛ばしてコントロール出来た
文珠はホテルの北と南に飛んでいった

横島は高めた神通力を指先に集中して言霊を言う


「我、竜神の一族小竜姫の名においてこの地に敵意ある者を拒む結界となせ…」

その言霊で文珠が発動してホテルを包む結界が出来上がった

横島はそれを見て満足そうな顔をして再び腕輪をして神通力をほぼ封印した


それを静かに見ていたエヴァと茶々丸は驚きを隠せなかった

「よ… 横島… 今の力はなんだ… それにお前… 今の呪文は…」

さすがのエヴァも驚きながらたどたどしく聞いた

横島は苦笑いしながら説明した

「結界に神通力を使ったんだよ。 神力と言ってもいいがな… 相手が半端じゃないからな~ これは竜神の力の結界だからな。 奴でも簡単には破れんさ。」

横島は自信を持って話したが
エヴァは驚きを通り越して少し呆れて話した

「お前… 神の力も使えるのか? そう言えば私の呪いを解く時に神のアイテムを使っていたな… こんな強力な結界は私でも貼れないぞ…」

「ああ、俺は仲間で師匠だった神族の力が使える。 バレたらシャレにならんからな…」


横島は一瞬悲しそうな目をしていた

横島が使った力は横島の最初の師匠の竜神の姫の力なのだから……

横島の才能を見出して力を目覚めさせるきっかけを与えた

そして横島を教え導いたのは彼女だったのだから…

魔神大戦の後
横島が人魔になって力の制御などまるでわからない時

修行などしたことない横島に基礎を一から教えたのは彼女と斉天大聖老師なのだから


そんなことをふと思い出していた

「横島さん…」

横島を心配した茶々丸が話しかけてすぐに横島は元にもどった


「二人共大丈夫だよ… さあ、中に入ろうか」

横島は心配そうな顔の茶々丸とエヴァに笑顔で話して中に入っていった

エヴァは横島の予想以上の力を考えて複雑な気持ちだった

あの底が知れない力を持つまでに
横島はどれほどの経験をしたのだろうと…


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