その一

「甘いな、横島は…」

エヴァは横島が助けるのはわかっていたが、それでも甘いと思った

その甘さが横島を苦しめなければいいが…
そう思った


「アスナちゃん、朝倉さんを呼んで来てよ。」

「はい、探して来ます」


そしてしばらくしたらアスナが朝倉を呼んできた

「ネギ先生~」

「ここにいたか兄貴」

朝倉はなぜかカモと一緒にいた

「朝倉さん、とりあえず座ってよ」

横島が朝倉を座らせる

朝倉は部屋の微妙な空気を感じたがカモは元気に話し出す

「兄貴! このブンヤの姉さんは俺らの味方になってくれたぜ!」

得意げに話すカモと嬉しそうな顔になるネギ

そんな時横島が険しい顔で朝倉に話す

「朝倉さんさ、魔法や魔法使いに関する情報は重要機密なんだ。 麻帆良に帰ってどうなるかはわからないよ。」


横島の険しい表情を初めて見る朝倉は驚くが、この機会に情報を集めようと考えた

「横島先生も魔法使いなの? 秘密を守って協力すればいいんでしょ?」

意味あり気な笑みを浮かべて朝倉は横島に話すが横島はため息をつく

「ネギはまだ見習いの半人前だ。 ネギやカモに決定権は無い。 魔法に関しては朝倉さんが考える以上に奥が深い。 朝倉さんみたいな人がいままで居ないと思うか? そんな人がどうなったと思う? 俺は魔法使いじゃないが知ってはいる。 これは俺からの最後の忠告だ。 これ以上余計なことに首をつっこむなよ……」

横島は睨みつけるように朝倉に話した

朝倉は横島の表情と威圧感に怯えた

横島は朝倉が味方になって喜んでるネギを見た

「ネギにカモ… お前らも魔法がバレた罪は軽くないぞ! 学園長には報告するからそのつもりでな」

「はい… すいませんでした」

「兄さん申し訳ない」

ネギとカモは反省してうなだれた


話はそこで終わり
ネギとカモと朝倉が部屋から出ていった

ネギ達がいなくなって今まで困惑していたアスナが横島に話しかけた

「横島さん、ネギに少し冷たくないですか?」

そんなアスナを苦笑いして見た横島は困ったように頭をかいていた

「アスナちゃん、ネギが生きてる世界はそんな世界なんだよ。 子供でも魔法を使う以上はしっかり責任を持たないとだめなんだよ」


横島はなにも知らないアスナに優しく話して教える

「神楽坂明日菜、お前も同じだぞ? 坊やのパートナーを続けるなら自分の行動には責任を持たねばならん。 一般人に魔法がバレたら、魔法使いはオコジョにされて、一般人は記憶を消される これが決まりだからな」

エヴァはアスナが魔法を理解してないことにため息をつきながらもアスナに話した

エヴァはネギやアスナがどうなろうと興味ないのだが

あまり派手になると自分にも被害が及ぶ上、魔法界と関わって一番困るのは横島の可能性が高いから話したのだ

アスナは元気がなく少し考え込んでいた

刹那はそれはそれとして今夜の警備をどうするか考え横島に聞いた


「横島さん、今夜はどうしますか?」

刹那の話で横島は真剣な顔になり少し考えだした

今夜は微妙なとこだった

夜はさすがに横島が側で護衛するわけにいかないのだから…

「今晩はホテルに結界を張っておくか… せっかくの修学旅行だしみんなはゆっくり楽しんだらいいよ 実際俺とエヴァちゃんが近くにいるしさ、結界に敵が来ればわかるよ」


横島はそう話し刹那や木乃香やアスナをみた

そんな中いまいち話についていけないのが夕映だった

彼女は昨日の夜の戦いを知らないのだから…

夕映は少し考えたが好奇心には勝てず気まずそうに横島に聞いた

「横島さん、何か問題が起きてるのですか?」

夕映の問いかけに横島は夕映が昨日の戦いを知らないのだと気がついた


夕映は木乃香と同じく横島に近い為、魔法は知ってるが一般人なので立場は微妙だった

だが彼女の性格では隠せば余計に知りたがる

そう思うとある程度話して、情報が広がらないように協力者にしようと思った

「実はさ。 ちょっと問題が起きてるんだ、また木乃香ちゃんが狙われる可能性がある 俺達はそれの対策を考えてるんだよ」

横島の話に夕映は難しい顔をした
横島に最初に出会ったのは木乃香と襲われた時だったから…

一方、木乃香には昨日の夜ダミーを使い部屋を変わる時にある程度説明していた

木乃香は自分の為にみんなに迷惑をかけてるのを心苦しく思っていた

「みんなごめんな… うちのせいで迷惑かけて…」

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