その一

「エヴァンジェリンさんでもそう思うのですか?」

エヴァの実力と過去ひ少しは知っている刹那が不思議そうに聞いた

エヴァは魔法界ではネギの父ナギ以外には負けたことがなく、最強に近い存在だと思っていたからだ

「桜咲刹那、私はたしかに最強の悪の魔法使いだ。 いかに私が不死の魔法使いでも所詮は個人の力だ。 出来ることと出来ないことがある… お前も自らの望むものを貫きたいなら、半端じゃない力と覚悟がいるぞ」

エヴァは刹那と横島と木乃香を見てそう話した

エヴァは木乃香と刹那の関係や、横島に対する想いなども気がついていた

そして横島の隣に居るならおそらく相当の力と覚悟が必要だと思った

横島が抱える過去が何かは知らないが、半端ではないのは薄々感じていた

そんな様子を見ていた刹那はエヴァが自分のことを思って話したのを理解した

「エヴァンジェリンさん、ご忠告ありがとうございます。」

刹那は素直に頭を下げた

エヴァは照れながらも

「気にするな。 私は割とお前を気に入っているから話しただけだ」

横島はそんな様子を見ながらふと笑顔になった

「木乃香ちゃんも刹那ちゃんもエヴァちゃんも茶々丸ちゃんも、みんな幸せになれるよ」


横島の優しい笑顔と言葉に4人は顔を赤らめていたがエヴァが反論する

「横島… 私は幸せになる資格などない。 私はもう人並みの幸せを得るには殺しすぎたし、長く生き過ぎた。」

少し寂しそうにエヴァは語る

「そんなことないよ。 生きている者は誰でも幸せになる権利があるよ」

横島は当たり前だと言った感じでエヴァの頭を撫でながら話した

それを微笑ましくもあり羨ましくもある他の三人だった

エヴァは顔を赤くして信じらんないといった感じで横島を見る

「お前に言われると説得力があるな… お前も相当な人生を歩んで来たのだろう?」

エヴァの顔が赤いのを不思議に思いながらも横島は答える

「ああ、俺の人生も多分エヴァちゃんに負けてないと思うよ だからこそ言えるんだ。 エヴァちゃんなら大丈夫だよ」

横島は当たり前に言うが今までエヴァにそんなことを言った人間は居なかった

横島の深い瞳を見ているとなぜかそんな気がしてくる
エヴァはそんな自分が不思議だった

そんな時木乃香が横島に言った

「横島さんも同じやえ。 幸せにならなああかんよ。」

それは木乃香だけではなく刹那、エヴァ、茶々丸もそうだと思った

横島はそんな4人の視線に気がついて

「俺は十分幸せだよ。」

そう話して笑顔で返した

横島にとって
この世界ではない、一人違う世界の存在だ

だがこんな自分がまた平和に優しい人達に囲まれて生きてる

それで十分幸せだった…


だが、そんな横島にもっと幸せになってほしい

そして自分達の幸せは横島が居てこそだと木乃香達は理解して欲しかった



その日は敵は現れずに横島達はゆっくり観光した


そしてのどかは、ネギに無事告白したみたいで満足そうな顔をしていた

ネギは初めて告白されたことに混乱して、顔を赤くして呆けていた……



その日の観光が終わりホテルで横島の部屋に木乃香、刹那、エヴァ、茶々丸、夕映が集まり
夕映から告白の時の話などを聞いていたら、ネギとアスナが焦ったように部屋へ入ってきた


「横島先生~ どうしよう! 朝倉さんに魔法がバレてしまいました!!」

ネギが泣きそうな顔で横島達に話した

横島とエヴァは呆れた顔をしていた

「朝倉さんにバレたらもうおしまいです。 彼女は麻帆良のパパラッチですからね」

いつものように不思議なパックジュースを飲みながら夕映がネギに話した

「残念だったな、ネギ。 頑張ってオコジョからやり直せよ」

横島は笑いながらネギに話した

「ちょっと! 横島さん、助けてくれないの!?」

ビックリしたアスナが焦って横島に詰め寄る

「神楽坂明日菜、困ったら人が助けてくれるという甘えは捨てることだな… 坊ややお前が首を突っ込んだ世界はそんな世界だ。 しかも横島は魔法使いではないしな」

エヴァはネギの未熟さを呆れつつ、魔法の世界を知らないアスナにそう告げる

ネギは泣き出しているし、アスナは困った顔をしている

木乃香や刹那や茶々丸は心配そうにしながらも見守っていた

「しかたないな~ 今回だけだぞ、ネギ… 朝倉の記憶を消してやるよ。 アスナちゃんに免じてな。」

ネギとアスナを見て横島は苦笑いしながら仕方なく話した


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