その一

茶店では
団子やぜんざいなんかをみんな頼んでだところでハルナと夕映が説明した

「実は今日はのどかに告白するチャンスをあげたいのよ!!」

いつもは控えめで恥ずかしがり屋の、のどかの告白に驚きと感心の様子なのは木乃香と刹那とアスナだった

エヴァと茶々丸はあまり表情には出さないで話を聞いている。

横島は…

(みんな若いな~ 青春だな…)

かつてのクラスメイト、机の妖怪のようなことを考えていた

そして
ハルナや夕映、木乃香達を眩しそうに見ていた


「うまくいくといいな~」

「のどかさんは勇気がありますね…」

木乃香と刹那が笑顔で関心したように話す

他の人達も楽しそうにおしゃべりしていると…

泣きそうな顔をしたのどかが走ってきた

「のどか!? 告白はどうしたのですか?」

のどかの表情にみんな不安そうな顔になり夕映が静に聞いた

「みんな知ってるんですか? 実は… 告白しようとしたんですけど、私トロいので失敗してしまって……」

のどかはみんなの注目を集めて恥ずかしそうに話した


「宮崎さんネギ先生はどう見ても子供では… どうして…?」

のどかに不思議に思った刹那が恐る恐る聞いた


「ネギ先生は普段はみんなが言うように子供っぽくてカワイイですけど… 時々私達より年上なんじゃないかなーって思うくらい 頼りがいがある大人びた顔をするんです… それは多分ネギ先生が私達にはない目標を持ってて… それを目指していつも前を見ているからだと思います。」

のどかは顔を赤らめながらゆっくり話してゆっくり微笑み話を続ける

「本当は遠くから眺めてるだけで満足なんです。 それだけで私、勇気もらえるから… でも今日は自分の気持ち伝えてみようって思って…」


みんなのどかの話を聞いて関心していた
のどかがネギを本当によく見ていたから…


そんな中横島が優しく微笑みながら口を開いた

「のどかちゃんは本当にネギを好きなんだな~ ネギのことよく見てる。 ネギは確かに目標を持って前だけ見て頑張っている… まだ10才なのに… だが、だからそこ今のネギは危うい。 もしのどかちゃんがネギを本当に好きなら、ネギを助けて支えてやればいい」 
 
「私なんかに出来るでしょうか?」

自分に自信の無いのどかは不安そうに言った

「それはのどかちゃん次第だよ。 もしネギを助けたいなら自分の出来ることをしたらいいよ。」


横島は笑顔で言った

「のどか! もう一回頑張って告白するのよ!!」

「そうです! ここまで頑張ったんだから最後まで告白するです!」

ハルナと夕映がのどかの手をつかみ励ます

「のどかなら大丈夫や! 自信持ってな」

「のどかさん頑張って下さい」

木乃香と刹那も笑顔で応援していた


「皆さんありがとうございます… 私もう一回行ってきます!」

のどかは爽やかな笑顔でみんなにお礼を言って走っていった

それに続いてハルナ、夕映、アスナも後を追っていった

残ったのは
横島と木乃香と刹那とエヴァと茶々丸


その時
それまで黙っていたエヴァが静かに話し出した

「良かったのか横島? 宮崎のどかが坊やに近づけばそれだけ危険だぞ?」


「それはあの二人次第だよ。 ネギものどかちゃんも未来はこれからなんだから… 自分の未来は自分で選べばいい。」

横島は優しく少し寂しそうな目で、前だけを見て頑張るネギやのどかを見て昔を思い出していた


「俺にもあんな時があったな… 彼女に出会い失うまでは… 」

横島がふと呟いたその言葉を聞いて、木乃香や刹那やエヴァや茶々丸がピクッと反応する

「横島さんのがむしゃらなとこって想像出来へんな~」

木乃香がふとそう口にして横島が苦笑いした

「俺だって前だけ見て頑張った時はあるさ。 まあ俺は基本的に性格が戦闘向きじゃないからな… 少ししか無かったがな…」

「挫折を知らぬからこそ、坊やも宮崎のどかも前だけ見てられるんだ。 この世界は無情だ。 人が一人で出来ることなどたかがしれているからな…」

エヴァは淡々と木乃香や刹那に話した
横島の気持ちや考えを一番理解出来るのはやはりエヴァなのだ

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