その一

そしてしばらくすると
予定通り木乃香のダミーがさらわれた

刹那は横島に電話した

「横島さん! お嬢様のダミーがさらわれました!」

「よし、追いかけるぞ!」

刹那は急いで敵を追いかけようとするが一緒にいたアスナも行こうとする

「刹那さん、私も行くわ!」

「アスナさん… あのお嬢様の偽物です。それに危険ですよ?」

アスナはビックリした顔をしていたが、

「やっぱり私も行くわ!」

刹那は悩んだが話してる時間がないのでアスナを連れて敵を追いかける


ホテルのロビーで横島と合流した刹那達は三人でそのまま敵を追いかける

「アスナちゃんも来たのか? いいか! さらわれた木乃香ちゃんはダミーだ。 それを敵に悟られないように、敵を追いかけて行くからな。」

横島はアスナがいて驚いたが、そのまま事情を説明する。
アスナは黙って頷き三人は走り出した

横島は心眼を開き敵を追跡する

敵を追いかけていると途中でネギがいた!

「ネギ! あんたも気がついたの!」

アスナがネギを見つけて叫ぶ

「アスナさん! 木乃香さんがさらわれてしまいました!」

慌てているネギに横島は静かに話す

「ネギ! よく聞け! あの木乃香ちゃんはダミーだ。 俺達はそれがバレないように敵を追跡して敵の戦力の判断と出来れば敵を捕まえるんだ!」

「わかりました」

そうして4人になった横島達は再び敵を追いかけて駅の近くで追いついた

敵は天ヶ崎千草

千草は符術によって生み出した、サルの着ぐるみのような式神を着ていた

「なんなのよ! あのサルは!? 着ぐるみ?」

アスナは緊迫した事態に似合わないサルに困惑していた

「あれは関西呪術協会の符術使いです。 ただの着ぐるみではなさそうです、気をつけて!」

刹那はネギやアスナが油断しないように厳しく言った

駅に入ったが駅は全くの無人だった
駅の壁には人払いの札がはってありそのためだった

横島は札をチラッと見て考える

(人払いの札か… 予定通りの逃走経路ということか…。さて、わざわざ電車を使っての逃走を選んだ理由は…?)

「みんな、罠の可能性もある! 気をつけるんだ!」

横島の声に刹那達はきを引き締めて頷いた

千草を追いかけて電車に滑り込んで乗った横島達

「刹那ちゃん! 前の車両に追い詰めるぞ!」

「待てー!!」

横島と刹那に続きネギが敵に叫びアスナも続く

千草は前の車両とのつなぎ目で止まり、ニヤリとと笑った

「お札さん、お札さん、うちを逃がしておくれやす」

千草はお札を出して横島達に投げて電車の扉を閉める

札からは一気に水が溢れて車両は水で満たされた

「わー!!」

「何この水!!」

ネギとアスナは驚き混乱していた

ネギは小さな杖を出して呪文を詠唱しようとするが、水中では出来るはずもなくあがいていた

アスナは何もできずに浴衣を抑えて、刹那は剣を抜こうとしている


「ホホ… 車内で溺れ死なんようーにな ほな…」

千草は満面の笑みを出して逃げ行く

横島は千草が見ていなくなったら、軽く霊波砲を放ち前のドアを破る!

ドッパーン!!

水が前の車両に流れていき、千草も流される

その時、車両は駅に到着して駅のホームにみんな押し出される

「お姉さん、そろそろ降参しないか? 美人だから優しくするよ?」

横島は笑顔を作って千草に話す

「あんさんやりますな~ どうやらあんさんが本命みたいどすな。 残念だけど降参は出来んのや 捕まえたければ実力で捕まえてみなはれ…」

千草も笑顔を作って話して再び走り出す

刹那は横島が千草にナンパするように話した為、少し嫌そうな顔をしたが何も言わなかった


横島達が駅を出ると、千草はサルの式神を脱いで長い階段に立っていた


「どうやらただ逃げても追いつかれるみたいどすな… 追いかけっこはここで終わりですえ。 お札さん、お札さん、うちを逃がしておくれやす」

千草は横島達に札を投げる

刹那は夕凪を抜き千草に切りかかろうとするが、横島に止められる

「刹那ちゃん待て! あの札は危険だ!」

横島が刹那を止めると、札は一気に巨大な大の文字の炎になった

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