その一

「お嬢様!? 本気ですか? 」

刹那は思わず木乃香を向いて言った

「ウチは本気やよ。 カードとアイテム欲しいし、横島さんのパートナーならいいな~ せっちゃんも一緒に横島さんのパートナーにならへん?」

木乃香は笑顔で刹那に話した
刹那は驚いていたが木乃香に一緒に仮契約を誘われると顔を赤くしていた…


「ちょ… ちょっと木乃香ちゃん 俺魔法使いじゃないしさ~ パートナー必要なタイプじゃないからさ」

横島はぎこちない感じで遠回しに優しく断ろうとした

「横島さん、ウチと仮契約するの嫌なん?」

木乃香は悲しそうに横島に話す
横島は珍しくオドオドしていた

「いやさ、キスは好きな人が出来るまで待った方いいと思うんだな…」

オドオドした横島を珍しそうに見てる夕映とアスナとネギ

カモは一人面白そうに見ていた


「ウチは横島さんと仮契約したいんよ」

押しの強い木乃香に困りだす横島
なぜか木乃香には弱かった

「俺は誰かをパートナーにする資格なんかないんだよ。」

少し顔を暗くして言った
横島は仮契約する気は無かった
何一つ守れなかった自分には重すぎる契約だと思ったから…
自分との契約がいずれ彼女を不幸にする気がして嫌だった


「もう~ ウチは諦めへんからね」

木乃香はちょっとむくれていて刹那は少し残念そうだった

横島は苦笑いして誤魔化した


ネギとアスナは自分達の仮契約を悩みカモは舌打ちしていた

「チッ」

理由は仮契約するとオコジョ協会から5万オコジョ貰えるからなのだ



それから数日

横島は木乃香と刹那とで、渋谷に買い物に来ていた
アスナの誕生日があるのでプレゼントと修学旅行の物を買いに来たのだ


「渋谷なんて何年ぶりだろうな~」

横島は隣に木乃香と刹那を従えて、人混みの中を歩いていた

「横島さんの世界にも渋谷はあるのですか?」

刹那が不思議そうに聞いてきた

「ああ、基本的に変わらないな~ 裏の世界は結構違うけど、東京や渋谷はとかは同じだよ。 まあ俺はほとんど来たことないけどな」

横島は昔を思い出しながら話していたのを、刹那と木乃香は面白そうに聞いていた

「昔の横島さんってどんな人だったん?」

木乃香は笑顔で横島の顔を覗き見て言った
横島は木乃香の話に顔を少し引きつらせていた

「俺の昔は今とは違うからな… よくナンパしてたな~ それなのに一回も成功しなかったがな… 貧乏で三枚目は誰も相手にしてくれんかったんや……」


二人は驚いた顔をしていた
普段の横島がナンパするイメージが全く無いからだ
どっちかと言うと人に距離を置いているし、見た目悪くない上、優しいのでイマイチ信じられなかった……

「なんか… 横島さんのイメージと一致しませんが…?」

「そうやな~ モテそうなやのにな~」

刹那と木乃香は首を傾げながら不思議そうに話していた

「ネギみたいな美形と違うからな~」

ちょっとふてくされた感じで横島は言った

「ウチはネギ君より横島さんの方がええな~」

「私も横島さんの方がいいですよ。 それに横島さんも十分モテそうですが?」
木乃香は満面の笑みで刹那は少し顔を赤らめて話した

二人が気を使って慰めてくれてると思ったので、横島は笑顔で喜んだ

最も二人は本心を言ったのだが、自分に自信が無く信じられない横島は彼女達が本心だとは全然思わなかった…

「俺を慰めてくれるなんて、二人とも優しいな~」

横島は泣きそうな感じで喜んでいて、木乃香と刹那が横島の喜び方に苦笑いして慰めていた

それから
横島達はなんだかんだ言いながら、アスナへのプレゼントに絵画用品を選んだ


そして3人は修学旅行で着る服を選んでお昼にした
ちなみに横島は二人に選んでもらうだけだった


夕方まで買い物をした一行は横島の希望で東京タワーに来た

「二人ともちょっと掴まってくれるか?」

横島は両手に荷物を持ちながら木乃香と刹那に話した

木乃香と刹那は顔を赤らめながら両脇から横島に抱きつくいた
横島は二人の腰に手を回してゆっくり飛んだ

「横島さん人に見つからへんの?」

木乃香が横島に聞いた

「ああ、一応見えないようにしてるよ。 誰かに見つかったら面倒だからな~」

横島はすぐに東京タワーの展望台の上に降りた

「はい、着いたよ。 ここに来たかったんだ… 世界は違うけどここは変わらないな…」

横島は愛おしいような寂しいような感じで話した
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