その一

横島は基本的に優しく暖かい人間だ
だが、組織や集団には余りいい感情を持っていないようだ

気をつけなければ木乃香や刹那の前から消えてしまうだろう…

木乃香や刹那から横島を奪うことは出来ない
今の明るく仲の良い二人は横島のおかげなのだから…



その日の夕方
横島家には
ネギ、アスナ、木乃香、刹那、夕映が来た

いつものように木乃香を中心にご飯を作って
みんなで食事を囲んでいる

そんな中アスナが横島に相談を始めた

「横島さん、カモが京都に行く前に仮契約しろってしつこいんですよ!」

アスナはネギの前でご飯を食べてるオコジョのカモを睨んで言った


「仮契約って何だ?」

横島は仮契約を知らなかった
この中ではネギとカモしか詳しくしる人はいなかった

「兄さん知らないんですかい! 仮契約ってのは……」

カモは熱心に
仮契約の特典であるアイテム付与や念話や召還に魔力を与えてパワーアップすることを話した

横島達は静かにその話を聞いていた

「ふーん、でも仮契約すれば義務もついてくるんだろ?」

「仮契約はあくまで仮ですから… 絶対の義務とかはないっす!」

冷静な横島にカモは気合いを入れて話した

「でも横島さん… 仮契約ってキスしないと出来ないんですよ…」

アスナが戸惑ったように話す

それに一同が微妙な顔になる

木乃香と刹那と夕映は顔を赤らめて横島を見ていた

横島は複雑な顔で考えこんでいた

キスして仮契約…
パートナー

蛍の彼女を…
彼女が居れば横島のパートナーは彼女だったろう…


木乃香達は横島の表情が一瞬変わったのに気がついた

横島がたまに見せる表情に木乃香達は心の奥に痛みを感じた…

横島はすぐに表情が戻りネギとカモを見る

「お前らさ~ 一般人を巻き込むなよ。 それに基本的に戦いってさ。 戦うか戦わないかは自分が判断するもんだ。 そりゃパートナーになれば一緒に戦うだろうが、そしたらパートナーの命を預かることだ。 よく考えるんだな… まあ戦う場合に備えて仮契約は有効ではあるとは思うが、でもキスしてまでとはな~ 悩むだろうな」

横島は木乃香が入れたお茶を飲みながら話した

そんな時…

「ウチも仮契約したいな~」

木乃香が横島を見て話した

「ブッ!!」

横島はお茶を吹き出し
刹那やネギ達は驚き目を丸くしている


28/100ページ
スキ