その三

さてネカネとアーニャが来てからのネギの日常だが、学園生活においてはネギは以前よりも僅かだが自然な感じで教師をしている

元々人生経験が不足していたネギの教師としての行動は知ったかぶりなどが多く細かな問題も多かったのだが、ネカネが職員室でネギに日常的に指導するようになってからはだいぶマシになっていた

横島やしずなや新田などネギを教師として補佐していた者達は、そんな二人の姿にホッとしていたのは言うまでもないだろう

実際人生経験のカケラもないネギの補佐はいろいろ難しい事もあり、楽ではなかったのだ

口に出して文句を言う者こそ居なかったがネギの周りでフォローする教師には、不満を抱えてる者も当然居たのである

まだ魔法関係者の教師はネギに協力的だったが、一般人の教師の中には関わりたがらない者も居たくらいだった

ネカネの突然の教師雇用はネギの精神的な問題解決の為に横島や木乃香達が主導した事だが、それを知らない教師達は学園長が未熟なネギの補佐の為に雇ったと思っている

実際職員室ではネギは浮いた存在だったが、ネカネが来て以来他の教師達との関係もだいぶマシになっていた



そして学園外の日常生活だが、こちらはネギの修行時間がかなり減っている

元々学園か修行かの二者択一しかない生活だったネギだが、学園外ではアーニャがネギに着いて歩くため早々無理も出来ない

加えてネカネがネギの過度な修行に制限をかけるようにしてるため、修行時間が減っていた

その代わりと言う訳ではないが、最近のネギはネカネとアーニャと麻帆良を散歩するなどが多い

好奇心旺盛なアーニャがあちこち行きたがるのにネカネとネギが付き合ってる形だが、ネギ自身麻帆良にあまり詳しくないためいい気晴らしになっている



一方相対的にネギと一緒に居る時間が減った明日菜とのどかだが、こちらは木乃香達と共に居る時間が増えていた

ネギと一緒に居る時間が減った寂しさは感じてるようだが、ネカネやアーニャと一緒のネギにホッともしている

内心僅かに複雑な感情もあるのかもしれないが、日が過ぎるに従って慣れて来ていた

そんな感じでネギと明日菜やのどかの関係は僅かだが離れたが、実は横島はその現状を歓迎している

横島としてはネギと明日菜やのどかを自分から離すつもりはないが、近すぎるのは問題だと考えていたのだ

ネギは恋愛感情はもちろん理解してないし、人間的な欠点が目に見えている

恋人になるにしても仲間になるにしても、もう少し距離を開けてお互いを客観的に見て欲しいというのが願いだった




そして勉強会を終えて木乃香達が帰った横島宅では、横島が深夜に一人で現状を整理して今後の修行計画やネギや木乃香の防衛計画などを立てていた

横島が見ていたのはヒャクメの神通パソコンであり、モニターには明日菜に関する土偶羅の報告が書かれている

そこには滅びた魔法の国の姫である可能性などが書かれており、明日菜の今後は横島の不安材料となっていた


(封じられた記憶に滅びた国の忘れ形見か…… 嫌な予感しかしないな。 木乃香ちゃんと同様にこれ以上魔法に関わらせる事は避けるべきだな)

様々な状況を考慮する横島だったが、明日菜の状況は決して楽観できるものではない

その存在を魔法関係者から秘匿しつつ万が一に備えるしかないが、何故か横島は不安を拭い切れなかった


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