その一

横島は渋い顔でアスナに話したがアスナは不思議な顔で聞く


「私は一人で頑張ってると思うけど…」

横島はアスナを見て苦笑いして

「一人で頑張ってはいるが、絶対勝てない相手に一人で挑むのは無謀だ。 相手の実力がわからないのは戦場では致命的だ。 死ぬようなもんだ。 幸いここにはネギの味方をする学園長達がいるし、エヴァちゃんは時間制限がある。 ネギは逃げて勝てる可能性を探さないといけないんだ。 まあ今回で学んでくれたらいいがな」


横島は真面目な顔をしてアスナを見て続けて話した

「アスナちゃん、もしネギと一緒に戦うなら、自分もネギも絶対に死なないし、死なせない覚悟を決める必要がある たとえ卑怯とか臆病者と言われてもな」


横島は言い終えると笑顔になった

「さて、今回の授業は終わりだな アスナちゃんは今日俺が話したことをゆっくり考えたらいいよ」


「はい、ありがとう。 横島さん」

アスナは難しい顔をして言った



ネギ達の戦いも終わったようだ

ネギは首まで氷漬けにされていた

横島はアスナを置いてネギとエヴァの元に飛んでいった


「お疲れさま、エヴァちゃん、茶々丸ちゃん」

横島がネギ達の元に降りるとネギは驚いた表情をしていた

「ふん、つまらない遊びだったよ」

「横島さん、お疲れさまです」

エヴァは横島を見て憎まれ口を言って、茶々丸は横島に挨拶した


「横島先生! どういうことなんですか! 横島先生もエヴァンジェリンさんの仲間なんですか!」

ネギは唖然としていたが、横島に強く問いかけた

横島は呆れた顔でネギに話した


「エヴァちゃんの呪いの問題は、お前がエヴァちゃんと初めて戦ったすぐ後に俺が呪いを解くことで話をつけたんだよ」

横島に話にネギは驚き抗議する

「ならなんで僕に話してくれなかったんですか!」

横島はネギの抗議にきつい顔になった

「お前はあの後何をした? 昼間から茶々丸ちゃんを殺そうとして、後は果たし状だ。 エヴァちゃんが戦う理由や呪いの事調べたか? 何も調べずに知らずに戦う事しか考えなかった。 エヴァちゃんや俺や学園長に話をするなり相談すれば違った道もあったはずだ。」

横島が話すとネギは下を向いてうなだれる
その姿を
エヴァと茶々丸は静かに見ている


「エヴァちゃんには俺が頼んだんだよ。 ネギが戦いを挑んできたら戦ってやってくれと。 今の戦いは不要だったんだ。 相手がエヴァちゃんでなければお前は死んでたんだぞ! 戦い自体も相手の実力を理解出来ない。 勝てないとわかっても無謀に戦うのみ。 勝てないなら逃げて時間を稼いで作戦を考えるなり、学園長に助けを求めるなり他にも方法はあったはずだ。 戦いで一番大事なのは戦わない事と絶対に死なない事だ。 卑怯や臆病者と言われてもな。」


ネギは今にも泣きそうだった

横島は苦笑いして優しくネギに話す

「今回こんな無意味な事をしたのは、ネギに現実を知って欲しかったからだ。 戦いは綺麗事じゃない いい経験になったろ? お前がこれからどんな道に行くかは俺は知らないが… きっと役にたつはずだ」


横島はそこまで話すとネギを捕らえている氷を壊した


「ゆっくり考えろ」


横島はネギにそう話して、エヴァと茶々丸を連れて帰っていった


「やはりお前は甘いな…」

エヴァは横島に静かに話した

「そうか? ネギはまた子供だからな。 それなのになまじ力が強すぎる… 戦う道を選ぶなら、戦う時を自分で選び決めなくてはならない 取り返しのつかない失敗をしてからでは遅いからな…」


横島は普通に話していたが、最後は悲しそうな表情をしていたのをエヴァと茶々丸は見た


それは横島が後悔する事があったのだと二人は理解した


「ふん、だから甘いと言うのだ。 あの坊やがどうなろうと関係ないではないか?」

エヴァは面白くなさそうに言った

「マスター、それが横島さんではないのですか?」

茶々丸はその優しさこそが横島ならではだと思った

「そんな事はわかっている。 そこまで言う力と覚悟があるのは横島だけだしな…」

横島は二人の会話を苦笑いして聞いていた

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