その三

「ネギ! アンタってヤツは!!」

顔を真っ赤にして怒りの表情で仁王立ちするアーニャに、リビングに居たネギやネカネや横島達はポカーンとしてしまう

アーニャは知らないがアジトと麻帆良では時間の流れが違うため、アーニャは出て行ったすぐ後に戻って来た事になる

全裸で顔を真っ赤にした怒りのアーニャに、ネギは微妙に顔を赤らめて首を捻るしか出来ない


「アーニャちゃん。 何があったのか知らないけど、とりあえず服を着て来たら?」

「キャー!! ネギのエロバカ!!!」

少しオロオロと困った様子のネカネがアーニャに服を着るように告げると、アーニャは真っ赤な顔を更に真っ赤にして逃げてゆく

あまりの騒動に横島達は黙って見送るしか出来なかった


「ホホホ……、元気な子ね」

「小太郎君、顔が赤いよ」

「俺は何にも見てへん!!」

沈黙が走る部屋で千鶴は、元気で子供らしいアーニャに思わず笑みを浮かべて笑っている

子供と接する機会が多いだけに慣れたものなのだろう

一方予期せぬ事態に小太郎は微妙に顔を赤くしてうろたえており、夏美にそれを突っ込まれている


「すいません、私がネギ先生との仮契約の事を告げたらアーニャちゃん怒っちゃって……」

そんな中にアーニャと入れ代わるようにやって来たのどかは、慌てて事情を説明するのだがその話に反応したのはネカネだった


「ネギ……、貴方生徒と仮契約したの?」

まさか数ヶ月でパートナーを見つけたとは思いもしなかったネカネは驚きつつ確認するが、ネギはビクッとして申し訳なさそうにうなだれてしまう

ネカネとしては魔法使いのパートナーを見つける事は否定しないが、相手をちゃんと選び仮契約の意味を理解して契約したのかは確認しないとダメなのである


「その件はネギよりもカモが問題だな」

無言のネギに代わり横島が答えるが、その時カモはネギの元から逃げだそうとしてる最中だった


「やっぱり貴方の仕業なのね。 下着二千枚盗んで指名手配されても懲りないのね」

怒りの表情のネカネにカモは冷や汗を流して逃げだそうとするが、明日菜に捕まってしまう


「逃げないでちゃんと謝りなさい!」

いつも下着を盗んでは適当にごまかすカモに、明日菜はいい機会だからとネカネに渡して叱ってもらおうと考えたらしい

その後カモが麻帆良に来てからの行動を明日菜が暴露するたびに、ネカネの表情は怒りからため息に変わっていく


「近衛学園長は何故貴方を自由にしてるのかしら? ネギに馬鹿な事ばっかり教えてるのに……」

カモのあまりに好き勝手な行動にネカネは怒りを通り越して飽きれてしまうが、問題はネギを監督するはずの学園長がカモを自由にしてる事だった

指名手配とはいえ麻帆良においては学園長が決定権を持つため、ネカネと言えどもカモをどうにかする事が難しい


「エロネギ! スケベ! 馬鹿! 女の敵!」

ネカネがカモの事で頭を抱える中で服を着て来たアーニャは、相変わらず顔を真っ赤にしたままネギに殴り掛かっていく


「わっ!? アーニャ危ないって!?」

途中から炎を拳に纏って攻撃していくアーニャに、ネギは慌てて立ち上がり拳をかわして話をしようとするがアーニャは聞かない


「はい、ストップ。 室内で魔法使うなよ。 戦えない一般人も居るんだからさ」

エスカレートするアーニャに、たまらず仲介に入ったのは横島だった

アーニャとネギを引き離し、室内で魔法を使うなと言い聞かせる

横島としては子供のケンカに口だしするつもりはないが、千鶴達は一般人だし間違って怪我でもしたらダメなのでさっさと仲介に入ったらしい


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