混乱するネギにネカネは麻帆良に長期出張になった事を告げて、また一緒に暮らせると言うとネギは本当に嬉しそうだった

ネカネに甘える姿は年相応であり、横島や木乃香を一安心させる

ネギ・ネカネ・アーニャの楽しげな姿はネギが横島達に対するような微妙な壁もなく、本当の親しい関係そのものなのだ


（やっぱ寂しかったのよね）

何かほっとけないものがあってネギと関わって来た明日菜は、初めて見た素顔のネギに安堵すると共に若干の寂しさも感じてしまう

明日菜自身そんな自分に僅かに戸惑いを感じるが、それでもなおネギが姉と暮らせる環境は嬉しかった



その後いつの間にかまき絵や古菲や楓に加えあやか達まで集まった横島宅は、ますます賑やかになっていく

途中アーニャとあやかがネギの事で火花を散らすなどあったが、当のネギは全く気付かずにネカネの隣で甘えるように離れていた間の話を続けていた


「誰だ、あのガキは？」

「ネギの幼なじみだってさ。　着いて来ちまったらしい」

夕飯時になりいつものようにエヴァと茶々丸が来るが、予定にないアーニャを見て密かにため息をはいてしまう

部屋に入るなり値踏みされるような視線を向けられたエヴァは、また面倒な奴が増えたと思ったらしい


「ネギ先生に友達が居たのですね……」

ネギに友達が居たという事情に少し驚く茶々丸だが、やはり夕映やのどかを含めほとんどが意外だったようだ

まあみんなも全く友達が居ないとは思ってないが、親しいと言える友達が居るとは思わなかったようである

その後木乃香や茶々丸が作った夕飯を食べたアーニャは、夕映に露天風呂があると聞き入りたいとアジトに行くが言葉を失ってしまう


「なっ……、なんなのよ！　ここはーー！！」

地下室に入ったら別の世界に移動したのだから、アーニャは理解出来なくて絶叫してしまったようだ


「横島さんのマジックアイテムだそうです。　露天風呂はこっちですよ」

夕映とのどかとまき絵と風呂に向かうアーニャだが、こんな魔法みたことないなどとぶつぶつ呟きながら後ろを着いてゆく


（やはり普通の魔法使いには理解出来ないことなのでしょうね）

横島やエヴァが特別なのは重々理解している夕映だが、アーニャの反応を見るに自分の思ってた以上に魔法は難しいのだろうと思う


「すごい……」

夕映がアーニャを連れて来たのは妙神山の露天風呂だが、広々と広がる露天風呂と周りの景色は一面の山々が広がるばかりである

そのあまりの壮大な光景に、アーニャは口をパクパクさせるだけしか出来なかった


「あの人は一体何者なの？」

名前も聞いた事ない横島のアジトにアーニャは困惑気味である

まあエヴァの魔法球ですら一般の魔法使いには縁がないものだけに、アーニャの反応は仕方ないのかもしれないが


「ネギ先生やアーニャちゃんのような魔法使い達とは関係のない人ですよ。　横島さんの過去は他者と交流を持たなかったようですから……」

アーニャの疑問に答えるように横島の事を話す夕映だが、これは事前に横島が作った偽の経歴だった

他者と関わらない一族の末裔という怪しい設定を作っていたのである

嘘っぽい設定ではあるがどうせ横島の過去を証明出来る者などいないし、信じるも信じないも勝手にしてほしいというのが横島の意見だった