その三

「ネギは皆さんにご迷惑をおかけしてませんか?」

そのまま電車で麻帆良へ戻る横島達だが、ネカネは麻帆良でのネギが心配でならないようである

麻帆良に到着する前にそれを確認せずにはいられなかったようだ


「ネギは頑張ってますよ。 ただ、頑張り過ぎなのが問題なんです。 ネカネさんには教員用の住居を用意しましたので、普通に一緒に暮らしてくれればいいです」

横島の頑張り過ぎと言う言葉にネカネは更に心配そうになるが、一緒に暮らせるという点には安堵している

危なかっしく無理をするネギなだけに放っておけないのだろう


「ここが麻帆良ですか……」

駅を出て始めて見る麻帆良の町並みは、ネカネにとって新鮮なものだった

西洋と東洋が混じり合う町並みは独特の雰囲気があり、イギリスとはまた違った感じなのだから


「アーニャちゃんはいつまで麻帆良に居るん?」

「特に決めてないわ。 修行の方は一段落してるし、当分こっちに居るつもりよ」

微妙に敵対心を見せるアーニャに明日菜は若干苦手そうにしていたが、木乃香はあまり気にしてないようでアーニャと積極的に話している

何よりネギに友達が居た事が木乃香としてはホッとしたようだった



「ようこそ麻帆良へ。 ネカネ君は一応来年の春までの長期契約になるが、ネギ君の状況も踏まえて更新もありうる。 表向き麻帆良女子中の英語担当教員とした。ネギ君に関しては横島君達に任せておるから、彼らに聞くといい」

「ネギ共々お世話になります」

麻帆良に到着してネカネ達が最初に向かったのは学園長のところだった

ネカネは正式にイギリスの魔法協会から関東への、長期派遣という形をとられている

表向きはネギと無関係なただの人材交流であった


「アーニャ君の住む場所はネカネ君と同じでいいかの? 観光ならばホテルを用意するが?」

「同じでいいです」

ネカネに無理矢理着いて来たアーニャだが、こちらはただの観光という事になっている

学園長はどうもイギリスから連絡を受けていたようだが、見習いなので当分ただの観光扱いとして様子を見る事に決まっていたようだ



「ここが部屋です。 不満があれば別に探しますが?」

学園長の挨拶もそこそこに横島達はネカネとアーニャを用意していた教員寮に案内するが、2LDKの部屋は外国人には少し狭いかと考えていた


「いえ、三人で暮らすには十分です」

ネカネとアーニャは部屋を見てまわるが、横島の時と同様に最低限の電化製品はあるし綺麗に掃除をされている

日本の住宅は狭いと聞いていたネカネは、思ったより広い部屋に驚いているようであった


「ねえ、サシミにテンプラは? 日本食楽しみにしてたのよね~」

「そやな、ネギ君に会う前に軽くご飯にしよか?」

部屋でようやく一息ついた一同だがアーニャは日本食を楽しみにしてたらしく、さっそくサシミや天ぷらが食べたいと言い出す

本来ならネギ達と合流して横島の家で夕食にしようと考えていた木乃香だが、思ったよりも早い時間に到着したので軽く外食に行く事になる

近所の和食屋に行きサシミと天ぷら御膳を笑顔で頬張るアーニャだが、ネカネは麻帆良でのネギの行動が気になるらしく明日菜にや木乃香にいろいろ尋ねていく


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