その三

そのまま続けて意見を言う刹那やのどかだが、彼女達も総じてネギが家族と一緒に居る環境に反対するはずがなかった

エヴァや茶々丸はネギの事に口出しするつもりがないらしく無言だし、まき絵は元より反対するほどの意見を持ってない


最後にみんなの視線は明日菜に集まっていた

ネギが麻帆良に来てここまで頑張ってこれた影には明日菜の存在が大きいのだ

横島としても明日菜の意見を一番重要視しているし、仮に反対するなら考え直すつもりである


「私もそれでいいと思う。 本当は先生も辞めさせた方いいと思うけど無理なんでしょう? 誰かが見てないとネギの奴はきっと私達と遠く離れた存在になっちゃいそうだもの」

馬鹿レッドとの異名を持つ明日菜だが、ネギの扱いに関しては横島と似たような考えを持っていた

ネギを一番心配していた明日菜ゆえに、頑張り過ぎてるネギを見てられなかったようだ

普通の子供に戻してやりたいと密かに願っていた明日菜だが、ネギが普通に戻れない環境な事に薄々感づいていたようである



意見が纏まった事で次の日さっそく学園長に相談しに行くが、学園長の反応は鈍いものだった

早く一人前の魔法使いにしたいとの考えから学園長はネカネを呼び寄せる事に慎重だったのだが、結局は横島達三人に押し切らる形で納得させられてしまう

精神的な成長には肉親が必要不可欠だと粘り着く説得した結果、ようやく納得していた



さて話は戻って空港に到着した横島達はネカネの到着を待つのだが……、イギリスより来たのはネカネと小さな少女の二人だった


「えっと、ネカネ・スプリングフィールドさんですよね? 俺は横島忠夫です、出迎えに来ました」

「神楽坂明日菜です。」

「近衛木乃香です。 よろしゅうお願いします」

事前に貰っていた写真からネカネはすぐに解ったが、知らない少女を連れている事に三人は不思議そうである


「わざわざありがとうございます。 ネギから手紙で伺っております。 いつもお世話になっているようで……」

横島達の事をネギから手紙で聞いてたネカネは真剣な表情で頭を下げていくが、隣の少女は横島や明日菜達を値踏みするように見ている


「はじめまして、アンナ・ココロウァ。 アーニャと呼んで下さい」

一見笑顔で挨拶するアーニャだが、明日菜と木乃香に対して微妙に敵意が見えていた

横島が不思議そうにアーニャを見ているとネカネが事情を説明していくのだが、ネカネの麻帆良への長期出張を知ったアーニャが無理を言って着いて来てしまったらしい


「ネギの幼なじみなんだ……」

「ネギ君友達居たんやね」

申し訳なさそうに謝るネカネを尻目に、明日菜と木乃香はネギに友達が居た事に驚きを隠せないようである


「とりあえず麻帆良に案内しますよ」

予定外に人が増えたが相手がネギの幼なじみだと聞いた横島は、それはそれでいいと考えていた

ネギが心許せる友達が居る事は決して悪い事ではない


(クッ……いきなり要注意人物に会うとは…… あの胸は敵ね!)

一方アーニャは、ネギの手紙に出てくる名前のNo.1の明日菜に敵意を燃やしていた

ネギが年上の女の子ばかりの環境に居るだけでも面白くないのに、一緒に暮らしてるなど我慢が出来ないようだった



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