その一

「何だと! 私もそんな能力知らんぞ! 玉に込める文字で効果が変わるなら何でもできるのか?」
エヴァは横島につかみかかり問いただした

「ああ、基本的には万能だよ。玉に込める文字は一つにつき漢字一つ、一度に文珠を複数使えば出来ることは広がる。死人を蘇らせるとか極端なことは出来ないがな… 俺の切り札の一つさ」


横島が自分の切り札をあっさり話してエヴァはさらに驚いていた

「お前そんな能力を人に言ってどうなるかわかってるのか?」

「わかってるよ。 だからこれは学園長も知らない。 エヴァちゃんなら誰にも言わないだろ?」

横島は当たり前のように話したがエヴァには理解出来なかった…
なぜ自分がこんなに信用されるのかが

「お前馬鹿なのか?」

横島はエヴァの問いかけに苦笑いした

「エヴァちゃんなら力が持つ意味も、それが知られる危険性も理解出来るだろう。 自分勝手な正義を掲げる人間よりは信用出来るよ」


「もしかして私の呪いもそれで解くのか?」

エヴァは横島が自分を信用する意味を理解した
それは自分も吸血鬼と言うだけで正義を掲げる魔法使い達に狙われたから…

「そうだよ。 もう一つ話すと、俺は平行世界の人間だ。 別世界から来たんだ…」

横島はエヴァに自分が別世界の人間だと話した

エヴァは横島の告白に固まっていたが、横島の異質な能力を見て逆に納得した


「お前はどこまでも非常識なんだな…」

エヴァは呆れたような納得したような感じで話した

「そうか? まあ俺がこの世界の魔法に詳しいエヴァちゃんに協力を求めたのはその為だよ 何かあった時の協力者は必要だからな。 エヴァちゃんならいずれ俺の正体に気がつくだろうから今のうちに教えたんだよ」


エヴァは突然笑い出した

「クククッ… 貴様は面白いな… 良かろう! 協力してやろう。 貴様がその力と覚悟で何をやるのか見てみたい。」
横島は笑顔になった

「ありがとうエヴァちゃん、やっぱり優しいな。 俺は自分が守りたい物を守るだけだよ。」

エヴァは横島の笑顔と優しいと言われたことに、少し顔を赤らめて照れていた

「守りたい物を守るか… それを理解して言える者が何人いるかな… 」
エヴァはいろんな人を思い出して考えていた
横島はその言葉の意味を理解している…

その力もある
エヴァが長く生きたが、そんな面白い男に会ったのはナギに続いて二人目だった


横島とエヴァが話しているとネギが来た

「エヴァンジェリンさんいますか?」

ネギは部屋を見渡しながら話した

エヴァは出ようとしたが横島が止めた

「ネギが何をするのか知りたい。 少し様子を見よう」

「横島、お前も甘いな…」

エヴァは文句をつけるも横島に任せた

横島は玄関に降りてネギに話しかけた

「ネギ、エヴァちゃんは風邪で寝てるよ。 何か用か?」

ネギは現れたのが横島でびっくりした


「横島先生! なんでここに?」

ネギは少し怯えたように話した

「俺はエヴァちゃんのお見舞いと看病だよ。 ネギ、俺がこの前話した事考えたか?」

横島は静かに話した
ネギは真面目な顔になり

「この前はすいませんでした。 僕いろいろ考えて… それでエヴァンジェリンさんと勝負しようとこれを持ってきました」

ネギは横島に果たし状を見せた
「それがお前の答えなら好きなようにやればいい… だが魔法に無関係な人を巻き込むなよ」

横島はネギから果たし状を受け取った

「わかりました。 これエヴァンジェリンさんに渡して下さい」

ネギはそのまま帰っていった…


横島はエヴァに果たし状を見せて話した

「あんなもんだろうな… ガキの浅知恵だな 相手の力も自分の力もわからないで果たし状か…」

横島は少し呆れたように話したが、エヴァは笑いながら横島の話に答えた


「初めからわかっていたから、私に茶番をやらせるのだろう? あの坊やは一回負けて現実を知った方早いからな…」

「まあな… 今回の戦いで学んでくれたらいいんだが… まあネギがどうなろうと、木乃香ちゃんや刹那ちゃんが巻き込まれなきゃ俺はいいんだがな」

横島は少し冷たく話した

「随分、その二人に肩入れするではないか…」

エヴァは少し面白くなさそうに話した
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