その二
そんな夕映達の前では、ネギと小太郎がヘルマンに苦戦している
魔法無効化能力を利用したヘルマンには放出系の魔法や術が通用しないため、実戦経験が少ないネギと術を封じられた小太郎では不利なのだ
「あのガキ二人はもうダメダナ」
「調査結果がどうあれ、ネギ君はしばらく戦えないようにしとけって命令が出てマス」
「ヘルマンのおっさんの石化は強力だカラナー。 悪くすると片手か片足は永久石化かも知れネェナ」
目の前のスライム達の何気ない会話に、何がなんだかわからない夏美の顔色が青ざめていく
先程ヘルマン自身が夕映達の前で今回の目的を学園の調査とネギと明日菜の調査だと語っていたが、スライム達の話では最悪命の危機すら感じる
スライム達は人質を目的が終われば解放すると言ってるが、信じるに値する話ではない
「配置完了したな。 さっさと終わらせるか」
同じ頃、魔法関係者の配置が完了していたのを確認した横島は、作戦を開始しようとしていた
「二人はここで待っててな。 よく見ておいて欲しい」
横島達はネギ達が戦っている場所から少し離れた小さなビルの上に居た
安全な場所から木乃香とまき絵に現状を見せるようだ
「ネギ君!?」
ヘルマンに吹き飛ばされるネギの姿に、まき絵は思わず声を上げてしまう
まだ子供なネギと小太郎が老人に見えるヘルマンに吹き飛ばさるのだから、見てられないようだ
「大丈夫なんよね?」
「ああ、すぐ終わらせる」
京都以来の実戦に、修行などで横島達の強さを見慣れた木乃香も少し不安そうである
横島はそんな二人の頭を落ち着かせるように撫でて、瞬間移動して行った
「君はなんの為に戦うのかね?」
一方ネギと小太郎の戦いは終盤に差し掛かっている
放出系の魔法や術が使えない中でネギ達は善戦するが、決め手に欠けていたのだ
「小太郎君を見たまえ、実に楽しそうに戦う。 君が戦うのは仲間の為かね? くだらない。 実にくだらないぞ、ネキ君。 期待ハズレだ」
吹き飛ばされた小太郎に視線を向けたヘルマンは、ネギに戦う理由を説いていく
「戦う理由は常に自分だけのモノだよ。 そうでなくてはいけない。 【怒り】【憎しみ】【復讐心】などは特にいい。 誰もが全身全霊で戦える。 あるいはもう少し健全に言って【強くなる喜び】でもいい。 そうでなくては戦いは面白くない」
「僕は別に……」
ヘルマンの言葉にネギは戸惑いが隠せない
戦う理由を問うにはあまりに幼すぎるのだ
「そいつにアホな事吹き込むのはやめてもらえないか? 後で俺が苦労するんだ」
その声にネギ・小太郎・ヘルマンは驚き辺りを見渡すが姿は見えない
「何かを守る為に戦い抜いた奴も居るんだ。 お前を否定するつもりはないが、そんな人達を否定するのは許さん」
その瞬間、ヘルマンは慌てて後ろを振り返る
ヘルマンと人質達の中間地点に、いつの間にか横島が静かに立っていた
「横島さん!?」
「始めまして、横島忠夫君。 私はヴィルヘルムヨーゼフ・フォンヘルマン伯爵。 君なら来ると思っていたよ」
驚きと喜びの入り混じった声を上げるネギとは対照的に、ヘルマンは横島の顔を見るとにこやかな笑顔を浮かべて自己紹介を初めていく
魔法無効化能力を利用したヘルマンには放出系の魔法や術が通用しないため、実戦経験が少ないネギと術を封じられた小太郎では不利なのだ
「あのガキ二人はもうダメダナ」
「調査結果がどうあれ、ネギ君はしばらく戦えないようにしとけって命令が出てマス」
「ヘルマンのおっさんの石化は強力だカラナー。 悪くすると片手か片足は永久石化かも知れネェナ」
目の前のスライム達の何気ない会話に、何がなんだかわからない夏美の顔色が青ざめていく
先程ヘルマン自身が夕映達の前で今回の目的を学園の調査とネギと明日菜の調査だと語っていたが、スライム達の話では最悪命の危機すら感じる
スライム達は人質を目的が終われば解放すると言ってるが、信じるに値する話ではない
「配置完了したな。 さっさと終わらせるか」
同じ頃、魔法関係者の配置が完了していたのを確認した横島は、作戦を開始しようとしていた
「二人はここで待っててな。 よく見ておいて欲しい」
横島達はネギ達が戦っている場所から少し離れた小さなビルの上に居た
安全な場所から木乃香とまき絵に現状を見せるようだ
「ネギ君!?」
ヘルマンに吹き飛ばされるネギの姿に、まき絵は思わず声を上げてしまう
まだ子供なネギと小太郎が老人に見えるヘルマンに吹き飛ばさるのだから、見てられないようだ
「大丈夫なんよね?」
「ああ、すぐ終わらせる」
京都以来の実戦に、修行などで横島達の強さを見慣れた木乃香も少し不安そうである
横島はそんな二人の頭を落ち着かせるように撫でて、瞬間移動して行った
「君はなんの為に戦うのかね?」
一方ネギと小太郎の戦いは終盤に差し掛かっている
放出系の魔法や術が使えない中でネギ達は善戦するが、決め手に欠けていたのだ
「小太郎君を見たまえ、実に楽しそうに戦う。 君が戦うのは仲間の為かね? くだらない。 実にくだらないぞ、ネキ君。 期待ハズレだ」
吹き飛ばされた小太郎に視線を向けたヘルマンは、ネギに戦う理由を説いていく
「戦う理由は常に自分だけのモノだよ。 そうでなくてはいけない。 【怒り】【憎しみ】【復讐心】などは特にいい。 誰もが全身全霊で戦える。 あるいはもう少し健全に言って【強くなる喜び】でもいい。 そうでなくては戦いは面白くない」
「僕は別に……」
ヘルマンの言葉にネギは戸惑いが隠せない
戦う理由を問うにはあまりに幼すぎるのだ
「そいつにアホな事吹き込むのはやめてもらえないか? 後で俺が苦労するんだ」
その声にネギ・小太郎・ヘルマンは驚き辺りを見渡すが姿は見えない
「何かを守る為に戦い抜いた奴も居るんだ。 お前を否定するつもりはないが、そんな人達を否定するのは許さん」
その瞬間、ヘルマンは慌てて後ろを振り返る
ヘルマンと人質達の中間地点に、いつの間にか横島が静かに立っていた
「横島さん!?」
「始めまして、横島忠夫君。 私はヴィルヘルムヨーゼフ・フォンヘルマン伯爵。 君なら来ると思っていたよ」
驚きと喜びの入り混じった声を上げるネギとは対照的に、ヘルマンは横島の顔を見るとにこやかな笑顔を浮かべて自己紹介を初めていく