その二
「気付いてたのになんで放置してたん!?」
「木乃香や……、魔法使いにも出来る事と出来ない事があるんじゃよ」
さよを知っていながら放置していた学園長に木乃香は驚きと不満を露にして問い掛けるが、学園長は複雑そうな表情で言葉を返すしか出来なかった
「さよ君の願いは何じゃ?」
「友達が欲しいそうです」
「そうか…… 編入という形で3ーAに入るといいじゃろう。 相坂さよの幽霊話は有名じゃから、幽霊の相坂さよの親戚という事にしておく」
いつもと違い大人しいというか複雑そうな学園長は、自分からさよの復学の手続きをする事を決める
木乃香はそんならしくない学園長に不思議そうな表情になるが、それ以上追求する事はなかった
「ねえ横島さん、おじいちゃんどないしたんやろ?」
学園長室を後にした木乃香は、いつもと違う表情の学園長に少し心配そうである
「俺にもわからんが、もしかしたら生前のさよちゃんを知ってるのかもな。 それかずっと寂しそうなさよちゃんを気にかけてたか…… どっちにしても、深く聞かない方がいいだろ」
木乃香の頭を優しく撫でて答える横島は、学園長にも何か想いがあると気付いていたがあえて本人には何も言わなかったようだ
「そうなんや……」
「長生きすると人間いろいろあるもんさ」
少し寂しそうな木乃香を、横島は困ったように元気付けていく
そして後日になり、さよは転入という形で3ーAのクラスメートに紹介される
「相坂さよです。 よろしくお願いします」
ちょっとオドオドしたさよの表情にクラスメート達は可愛いとか新鮮だとか騒ぐが、それ以上問題が起きないまま無事にクラスに受け入れられていた
(幽霊と同姓同名の親戚? まっ、アタシには関係ないか)
そんな中で長谷川千雨は幽霊の相坂さよの親戚と説明を受けた事に少し疑問を抱くが、幽霊自体を信じてない彼女だけにそれ以上問題にしないまま終わる
(あれは寄り代の一種カ?)
だが……、自らの知る世界と違う形でさよが現れた事に、超鈴音は僅かながら動揺を感じていた
変わりゆく歴史とその原因を考える彼女の視線は、自然と教室の隅でさよを見守る横島に向いている
(やはり貴方の仕業カ。 横島先生……)
それは未知への恐怖や未来への不安であり、超鈴音が感じてるのは普通の人間が感じるモノと同じモノだった
しかし歴史を変える事に全てを賭けている彼女には不要なモノである
(私は負けられないネ。 何があっても……)
無意識に体に力が入り拳を握りしめてしまう超鈴音
そしてそんな超を見つめているのは茶々丸とサジであった
「木乃香や……、魔法使いにも出来る事と出来ない事があるんじゃよ」
さよを知っていながら放置していた学園長に木乃香は驚きと不満を露にして問い掛けるが、学園長は複雑そうな表情で言葉を返すしか出来なかった
「さよ君の願いは何じゃ?」
「友達が欲しいそうです」
「そうか…… 編入という形で3ーAに入るといいじゃろう。 相坂さよの幽霊話は有名じゃから、幽霊の相坂さよの親戚という事にしておく」
いつもと違い大人しいというか複雑そうな学園長は、自分からさよの復学の手続きをする事を決める
木乃香はそんならしくない学園長に不思議そうな表情になるが、それ以上追求する事はなかった
「ねえ横島さん、おじいちゃんどないしたんやろ?」
学園長室を後にした木乃香は、いつもと違う表情の学園長に少し心配そうである
「俺にもわからんが、もしかしたら生前のさよちゃんを知ってるのかもな。 それかずっと寂しそうなさよちゃんを気にかけてたか…… どっちにしても、深く聞かない方がいいだろ」
木乃香の頭を優しく撫でて答える横島は、学園長にも何か想いがあると気付いていたがあえて本人には何も言わなかったようだ
「そうなんや……」
「長生きすると人間いろいろあるもんさ」
少し寂しそうな木乃香を、横島は困ったように元気付けていく
そして後日になり、さよは転入という形で3ーAのクラスメートに紹介される
「相坂さよです。 よろしくお願いします」
ちょっとオドオドしたさよの表情にクラスメート達は可愛いとか新鮮だとか騒ぐが、それ以上問題が起きないまま無事にクラスに受け入れられていた
(幽霊と同姓同名の親戚? まっ、アタシには関係ないか)
そんな中で長谷川千雨は幽霊の相坂さよの親戚と説明を受けた事に少し疑問を抱くが、幽霊自体を信じてない彼女だけにそれ以上問題にしないまま終わる
(あれは寄り代の一種カ?)
だが……、自らの知る世界と違う形でさよが現れた事に、超鈴音は僅かながら動揺を感じていた
変わりゆく歴史とその原因を考える彼女の視線は、自然と教室の隅でさよを見守る横島に向いている
(やはり貴方の仕業カ。 横島先生……)
それは未知への恐怖や未来への不安であり、超鈴音が感じてるのは普通の人間が感じるモノと同じモノだった
しかし歴史を変える事に全てを賭けている彼女には不要なモノである
(私は負けられないネ。 何があっても……)
無意識に体に力が入り拳を握りしめてしまう超鈴音
そしてそんな超を見つめているのは茶々丸とサジであった