その一

横島は本当に嬉しかった
今回は救うことが出来た


横島のその笑顔に茶々丸は見惚れた

人でない自分を本当に心配してくれたのがわかった


横島は前を向きネギとアスナに話す

「ネギにアスナちゃん… なんで茶々丸ちゃんを殺そうとした? 彼女は猫に餌をやってたんだぞ? 猫も巻き込んで… 彼女は優しく生きてるんだそ!!」

横島の厳しい視線にネギとアスナは言葉が出ない


「やいてめえ! 何者だ! そいつはロボで吸血鬼のパートナーだぞ!」

ネギの影からオコジョのカモが出てきてしゃべった

横島はカモに殺気を込めて睨む!

カモはネギの後ろに隠れた


「ネギ本当なの? 茶々丸さんを殺す攻撃だったの?」

アスナは顔を青くして話した

「僕は…」

ネギは下を向いて言葉が出ない

横島はネギの浅はかさに怒りを感じていた

「ネギ… お前何考えてるんだ? 昼間から秘匿が必要な魔法で殺人か? なぜエヴァちゃんがお前と戦おうとするのか調べたり考えたりしたのか? 茶々丸ちゃんは生徒だぞ? それに自分の持つ力を理解してるのか? 戦いの理由も知らず覚悟もないのに戦うな! お前は先生失格だよ。 魔法使えるチンピラだ」

横島は冷たく言い放った
そして困惑が隠せないアスナを見て

「アスナちゃん… なんでネギに味方するか知らないが、これが戦いだよ 命のやり取りなんだ… 自分も相手も傷つき傷つける。 そして殺した方は殺された命を背負って行かなければならない。 その辺考えてみてほしいな 悩み迷ったら俺に相談してくれ」


ネギはうつむき下を向いていたが
杖に乗り空を飛んで逃げ出した

「ネギ!」

アスナはネギを追いかけていった


横島が後ろの茶々丸を見たら、茶々丸は困ったような顔をしていた…

「横島さん、ありがとうございました」

茶々丸は悲しく苦しそうな横島を見てお礼を言った


「いや気にしなくていいよ。 無事で何よりだった… ネギがあんな行動に出るなんて、俺が甘かった。」

横島は茶々丸に笑顔を見せるが、その笑顔には苦悩に満ちている…


「横島さん…」

悲しそうな茶々丸を見て横島が動いた

「とりあえずエヴァちゃんの家に行こう。」


それから二人でエヴァの家に行った

横島は家に入るとエヴァに先ほどの話をした

「横島、お前が気にする必要はない。 茶々丸も戦う者として覚悟は出来ている。 あの坊やにはいい勉強になっただろう」

エヴァは真面目な顔で横島に話した

「まかさあいつが殺す攻撃をするとは… もし次も同じだったら、俺が戦う!」

横島は真剣な顔つきで話した

「横島さん… 私は大丈夫ですから…」

茶々丸は横島を気遣って話しかけた

「ありがとうな、エヴァちゃんも茶々丸ちゃんも優しいな…」

横島は本当にそう思ったから、微笑んでいた

エヴァと茶々丸は優しいと言われて顔を赤らめていた

二人共優しいと言われることが無かったから…


「横島、今回は私に任せておけ、呪いを解く代償だからな」

エヴァは自信に満ちた笑みで話した



次の日
横島は家でボーっと考えていた
ネギの行動は間違ってる訳ではない
だがネギがあのまま考えるなら
いずれ俺はネギの敵になるだろう
そんな気がした

ピンポーン


横島が考えていると人が来たようだ
横島は考えを止めて玄関に向かう


ガチャリ

ドアを開けると

「横島さんご飯一緒に食べへんか?」

木乃香と刹那がお昼ご飯の材料を抱えて来た

「おっ 二人共ありがとうな」

横島は笑顔を作って二人を迎え入れた

木乃香が楽しそうに料理をして刹那が手伝っていた

横島は二人を見て安らぐ自分に気がついた

そして3人は和気あいあいと食事をした

横島は昨日のネギとのことを二人に話した

誰かに聞いて欲しかったのかもしれない…

「ネギ先生はまだ10才ですからね… 難しいですよね」

刹那は悩みながら話した
戦いの現実を知る刹那にはネギの行動の危険を理解したが、まだ子供のネギの対応の難しさも理解した

「今のネギのままなら、俺はいずれネギの敵になるかもしれない…」

静かに横島は話した

それを見たは木乃香は笑顔で言った

「大丈夫や ネギ君はきっとわかってくれる。 横島さんが苦しい思いして教えてあげたんやから」
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