その二

「ネギ先生はまだ幼いですから、私達がある程度手助けする必要があると思うんです」

悩む横島を説得するようにあやかは語っている


「わかった。 協力するよ」

あやかの熱意に押される形で横島は協力を引き受けた

その後あやかの作戦に横島が賛成して、この日は帰っていく


「協力してよかったのですか?」

「正直迷ってるよ。 基本的に本人達の問題だしな~ ただ俺も少し焦っていたのかもしれない。 普通に考えれば、今のネギに仲間に対する考え方や覚悟を問うのが無理だろうしな」

刹那の問いに横島は迷いの表情を浮かべ話していく


図書館島の件で、なし崩し的に仲間や互いの関係について考えることになったネギや明日菜達だが

そもそも人間関係を築くと言う点では壊滅的に未熟なネギに、明日菜達の想いを理解しろと言うのが無理なのだと横島は最近考えていた


「確かにネギ先生には理解出来ないと思うです。 私自身あまり人付き合いが得意な方では無いですが、ネギ先生はそれを遥かに越えてます。 正直、普通に小学校に入れて友達を作れる環境に置いた方が本人の為な気がするです」

あれ以来親友のことを心配する夕映は、ネギと明日菜やのどかの事を観察していたが、ネギが学力などに比べて精神的に未熟過ぎて話が解決しないことを危惧している

不器用な明日菜と消極的なのどかにも原因はあるのだが、やはりネギの対人関係の未熟さが目立っていたのだ


「子供であり先生であり魔法使いですからね…… 今はどれも中途半端です。 魔法使いを知らない委員長にしたら、仲直りさせたいのは当然の思いでしょうね」

常に魔法使いとしてのネギを見てしまう刹那だが、もしネギから魔法使いを抜けばあやかの気持ちは当然だと思う


「ネギ君、イギリスに友達とかおらんのかな? お姉ちゃんの話は聞くけど友達の話は聞かへんな~」

ふと考えてみるとネギから友達の話など聞いたことが無い木乃香は、少し不思議に思っている


「本当は自分で仲直りして欲しいんだけど、無理っぽいからな… 今回は仕方ないだろう」

結局、仲間やパートナーについて考える以前の問題に、横島は現段階で考えさせるのを断念する

それだけネギの対人関係の未熟さにどうしようも無かったと言うのが本音だが…
 
 
少なくとも麻帆良は安全であり、数年かけて精神面はゆっくり成長させる必要があると判断していた



それから数日後、横島はあやか作戦に乗る形で南の島に来ていた


「なんで私がこんなとこ来なきゃいけないのよ。 だいたい海ならいつでも行けるし…」

微妙に不満そうな明日菜、この日の朝に突然海に行くと言うあやかに連れて来られたのだが、あまり気が進まないようだ


「まあまあ、ちょうど新聞配達お休みだったし、えーやん」

明日菜の機嫌を宥めるようにフォローする木乃香

二人の前ではたくさんのクラスメートが、海に飛び込んでいた


「この時期に海に行くって言うから、何処かと思えばプライベート島かよ…」

微妙に引き攣った表情の横島の予想を、あやかは遥かに上回っている


「キュ~ン…」

そんな中で横島に抱かれていたタマモは、突然の真夏に少しバテていた


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