ちゃぶ台を囲む一同が落ち着いたところでエヴァが立ち上がる


「お前達にこれからの修行をする前に説明をしておく」

エヴァが話し出すと、一同は静かになりエヴァを見つめる


「基本的に魔法は私が教える。　後の力の使い方や体術、さらに戦い方などは横島と共同だ。　だが、当分は基礎だけだからな」

修行と聞き真剣になる者、ワクワクする者など様々な様子を見てエヴァが釘を差す


「では魔法に関して説明を始める。　人にはそれぞれ決まった魔力容量がある。　私と横島を抜かせば、この中で一番魔力容量がデカいのは木乃香と坊やだ。　後は一般的魔法使いと大差無い。　魔力容量は基本的に天賦の才だ。　トレーニングなどでは強化しにくいな。　２人はラッキーだったと思え」

エヴァが魔法に関して説明を始めると、夕映はメモ帳を取り出しエヴァの言葉を書き留めている

魔力容量の大きい人の名前に自分が入ってない時は、少し落ち込んだ表情になるがそれでも真剣に話を聞いていく


「だが、魔法が魔力容量で全て決まる訳では無い。　魔法を使うには精神力の強化や術の効率化が必要だ。　この２つは修行をするしか無い」

エヴァの話に真剣なのは木乃香、夕映、のどか、ネギである

その他のメンバーも真剣なのだが…、バカレンジャーの面々は難しい話にギリギリのようだ


「あの…、魔力容量が低い私は魔法に向かないのでしょうか？」

ネギ以外で話を一番理解しているのは、やはり夕映である

夕映は一同の反応を見るエヴァに不安げに問いかけた


「綾瀬夕映、お前は何故魔法を求める？」

エヴァは真剣に問いかける


「私は…、力になりたいです。　横島さんやみんなの…」

夕映は少しうつむき恥ずかしそうに呟く

無力な自分がそんな大それたことを言うのが恥ずかしいようだ


「夕映よ、力とはなんだ？　単純な魔力の量か？　確かに魔力の容量が多い坊やと木乃香はお前より有利だ。　だが、魔法はそんな単純では無い。　まして実戦になればもっと複雑な要素が絡み合う。　魔力の容量など私からすればあまり意味の無いことだ」

エヴァの話に夕映はハッとしたように顔を上げる

頭の回転の早い夕映にはエヴァの言いたいことが伝わったようだ


「次に坊やには戦いのスタイルを選んでもらう。　お前の修行はそのスタイルにより変わるからな」

エヴァは夕映がすぐに納得したのを見て、満足そうに笑みを浮かべて話を進める


「戦いのスタイルですか？」

ネギは明日菜やのどかに無視されて落ち込み気味な様子だ


エヴァはその様子を見て、面白そうにニヤリとして話を続けていく


魔法使いタイプ

前衛を従者に任せて自らは後方で強力な術を放つ

安定したスタイル



魔法剣士

魔力を付与した肉体で自らも前に出て従者と共に戦い、速さを重視した術も使う

変幻自在なスタイル


エヴァはそれらをネギに説明して、今後の自分の方向性を考えさせる


「どちらも一長一短はある。　まあ、小利口なお前は魔法使いタイプだと思うがな」

エヴァはサディスティックな笑みを浮かべている



「難しいですね…」

ネギは腕組みをして考え込み

他のメンバーはその話を興味深そうに聞いてエヴァを見ている