その二

横島達はその日も賑やかな夕食になっていた

ネギと明日菜は微妙だが、あえて周りはそこに触れない

どうやら夕映からみんなにケンカの理由が伝わったらしく、みんな見守るようだ


夕食後、横島はエヴァだけを連れてアジトに向かう

「あいつらの修行にはアジトの施設を使おうと思うんだ」

横島がエヴァを連れて行ったのはドーム状の建物である

東京ドームが数個入るほどの広さのあるドームにエヴァは少し驚いていた

建物の中は近代的な建築で、相変わらずの統一感の無さにエヴァは首を傾げる

「この建物は何なんだ?」

横島がエヴァを連れて入ったのは、何かの制御室のようである


「ここは霊動シュミレーションの施設だ。 一種の仮想空間だな。 ここでは記録した者達の霊波動を再現してシュミレート出来る」

横島が装置を作動させると、たくさんの神魔妖人の姿が広いドームの中に溢れていた


「これは… 戦うことが可能なのか?」

エヴァは窓から見えるたくさんの者達を驚いて見ている


「ああ、俺の世界の人間達が作ったシステムを土偶羅が改良したものだよ。 強さや弱点も変更可能だし、本物と同じように戦える。 あのフィールドは一種の特殊な空間になっている。 あの中で戦えば、怪我やなんかは外に出ると消える。 まあ、使った力は回復しないがな」
横島は説明しながら装置を終わらせた


「うむ…、刹那や楓辺りには役に立ちそうだな」

エヴァは考えながら横島を見る


「まあな。 これを使えば実戦に近い経験を積ませられる」

横島はエヴァを連れてアジト内を歩いていく


「他にも役に立つ施設はあるのか?」

ざっと見える範囲だけで数十に近い建物がある

エヴァは他にも修行に役立つ施設があるのかと考えていた


「まあ、他にもあるが… とりあえずは使わないかな」

横島はそう話すと、一番大きな建物に入る


そこは和風と中華風が混じった建物で、横島の家へのゲートや研究室

それにアジトを管理するメインルームもある


「土偶羅、しばらく霊動シュミレーション使うからよろしくな」

横島はメインルームによって土偶羅に話しかけた


そこは不思議な部屋であった

360度全てがモニターで出来ており、中央に柱のようなコンピューターがある

土偶羅はそのコンピューターを使ってアジトを管理していた


「わかった。 ハニワ兵を少し多めに回そう」

土偶羅は横島を見ずに作業をしていく


「あと、時間加速装置使いたいんだが」

横島の声に土偶羅は作業を止めて振り向く


「別にいいがどのくらい加速させるんだ?」

「1日を外の1時間にしてくれ。 使うのがほとんど人間だからさ。 あんまり加速させすぎる訳にいかないんだ」

横島は土偶羅と細かい設定について話し合う

横島達がアジトに入った時のみ時間を加速させることにしたようだ


「じゃあよろしくな」

横島は待たせていたエヴァを連れて家に戻るべく長い廊下を歩く


「相変わらず不思議な空間だな」

エヴァはメインルームを見て不思議だったようだ


「あの部屋はメインコントロールルームだ。 この異空間をあそこでほぼ全て管理している。 正直、土偶羅以外は使いこなせん」

横島は苦笑いしながらエヴァに説明をした


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