その二
その日、横島はタマモを連れて学校へ向かう
夕映は制服に着替える為に、一足先に横島の家を出ていた
横島が自宅を出て歩いていると、一台の車が横島の横に止まる
「おはよう。 横島君、乗って行かないか?」
それはオープンカーに乗った高畑であった
「ええ、ありがとうございます」
横島は高畑を見て内心苦笑いするが、表情に出さずに車に乗る
車を知らないタマモは、少し不思議そうにキョロキョロと車を見渡す
「こっちにおいで」
横島はタマモが飛ばされないように、肩から膝に乗せる
「その子が九尾か…」
高畑は興味深げにタマモを見つめる
「………」
タマモは高畑を警戒するが特に騒がない
「いい子だね」
タマモを見つめていた高畑は、少し笑みを見せて車を出す
「葛葉さん達が騒いでますか?」
横島はあまり表情を変えずに高畑に問いかける
「まあね… 彼女は少し融通が利かないからね」
高畑はタマモの様子を見に来たのをバレて、苦笑いを浮かべたが
横島はあまり気にした様子は無く、タマモに景色を見せている
「君が異世界から来たのは僕と学園長しか知らない。 彼女にしたら君は正体不明の人物だからね」
高畑は運転をしながら横島に説明する
高畑としてはタマモを警戒すると言うより、確認なのだろう
「手間をかけましたね。 すいません」
横島は少し苦笑いして謝る
横島も高畑が、横島と葛葉の間に入って問題を収めたのを見抜いていた
「いや、いいよ。 僕は慣れてるからね」
高畑は少し懐かしそうに横島を見る
「慣れてる?」
横島は高畑の言葉と視線の意味を理解出来ない
「僕は昔サウザンドマスターと共に行動したことがあるんだ…」
高畑は懐かしそうに話を始めた
「彼は今でこそ英雄と呼ばれているが、彼の行動は変わっていた。 細かいことは気にしないし、良く言えば常識にとらわれない。 悪く言えば非常識。 そんな人物だった。 君と九尾を見ていると、彼を思い出すよ。 彼なら君と同じように、その子を助けただろう」
昔を懐かしむような話を、横島とタマモは静かに聞いている
「学園長も特に問題にしないだろう。 ただ、その尻尾は隠せないか? さすがに九本の尻尾は目立ち過ぎる」
高畑は少し言いにくそうに横島に話す
「ああ、そうですね。 学園では、一本にします」
横島はタマモの尻尾を見て、すぐに答えた
一般人にも有名な九尾が、少し目立ち過ぎるのは横島も理解している
「先日京都に行った時、詠春さんが君はどこかサウザンドマスターに似ていると話していた。 なんとなくその意味がわかった気がするよ」
高畑は横島を見て思う
姿形は全く違うが行動が似ているのだろうと…
そして、人を惹きつける不思議な魅力が共通するのだと感じていた
「英雄と呼ばれた人と似てると言われると困りますね。 俺はそんな立派じゃないですから」
横島は苦笑いして高畑に答える
そんな会話をしているうちに、車は学園に到着した
「タマモ、尻尾を変化させるよ?」
横島が話しかけるとタマモはコックリと頷く
ポン!!
横島は指先に僅かな霊力を高めて、タマモの尻尾だけを一本に変化させた
夕映は制服に着替える為に、一足先に横島の家を出ていた
横島が自宅を出て歩いていると、一台の車が横島の横に止まる
「おはよう。 横島君、乗って行かないか?」
それはオープンカーに乗った高畑であった
「ええ、ありがとうございます」
横島は高畑を見て内心苦笑いするが、表情に出さずに車に乗る
車を知らないタマモは、少し不思議そうにキョロキョロと車を見渡す
「こっちにおいで」
横島はタマモが飛ばされないように、肩から膝に乗せる
「その子が九尾か…」
高畑は興味深げにタマモを見つめる
「………」
タマモは高畑を警戒するが特に騒がない
「いい子だね」
タマモを見つめていた高畑は、少し笑みを見せて車を出す
「葛葉さん達が騒いでますか?」
横島はあまり表情を変えずに高畑に問いかける
「まあね… 彼女は少し融通が利かないからね」
高畑はタマモの様子を見に来たのをバレて、苦笑いを浮かべたが
横島はあまり気にした様子は無く、タマモに景色を見せている
「君が異世界から来たのは僕と学園長しか知らない。 彼女にしたら君は正体不明の人物だからね」
高畑は運転をしながら横島に説明する
高畑としてはタマモを警戒すると言うより、確認なのだろう
「手間をかけましたね。 すいません」
横島は少し苦笑いして謝る
横島も高畑が、横島と葛葉の間に入って問題を収めたのを見抜いていた
「いや、いいよ。 僕は慣れてるからね」
高畑は少し懐かしそうに横島を見る
「慣れてる?」
横島は高畑の言葉と視線の意味を理解出来ない
「僕は昔サウザンドマスターと共に行動したことがあるんだ…」
高畑は懐かしそうに話を始めた
「彼は今でこそ英雄と呼ばれているが、彼の行動は変わっていた。 細かいことは気にしないし、良く言えば常識にとらわれない。 悪く言えば非常識。 そんな人物だった。 君と九尾を見ていると、彼を思い出すよ。 彼なら君と同じように、その子を助けただろう」
昔を懐かしむような話を、横島とタマモは静かに聞いている
「学園長も特に問題にしないだろう。 ただ、その尻尾は隠せないか? さすがに九本の尻尾は目立ち過ぎる」
高畑は少し言いにくそうに横島に話す
「ああ、そうですね。 学園では、一本にします」
横島はタマモの尻尾を見て、すぐに答えた
一般人にも有名な九尾が、少し目立ち過ぎるのは横島も理解している
「先日京都に行った時、詠春さんが君はどこかサウザンドマスターに似ていると話していた。 なんとなくその意味がわかった気がするよ」
高畑は横島を見て思う
姿形は全く違うが行動が似ているのだろうと…
そして、人を惹きつける不思議な魅力が共通するのだと感じていた
「英雄と呼ばれた人と似てると言われると困りますね。 俺はそんな立派じゃないですから」
横島は苦笑いして高畑に答える
そんな会話をしているうちに、車は学園に到着した
「タマモ、尻尾を変化させるよ?」
横島が話しかけるとタマモはコックリと頷く
ポン!!
横島は指先に僅かな霊力を高めて、タマモの尻尾だけを一本に変化させた