その二

横島がネギ達を連れて瞬間移動したのは自宅だった


「あの… ありがとうございました。 でも何故、横島さん達があそこに居たのですか?」

ネギは困惑気味に、横島や明日菜に頭を下げる


「俺は頼まれたから連れて行っただけだよ」

横島は、ネギを睨むように怒ってる明日菜に視線を移した


「明日菜さん…?」

ネギは、何故明日菜が不機嫌なのか理解出来ない


「……なんで私を連れて行かなかったのよ」

明日菜はジロっと不機嫌そうにネギを睨む


「いえ…、それはどんな危険あるかわからなかったし…」

ネギは困ったように明日菜に話すが…


「で…、横島さんが居なければ、あんたはのどかちゃんを巻き込んで死んでた訳ね」

明日菜はかなり機嫌が悪い

よほど置いていかれたことが許せないようだ


「いえ、本当は1人で行こうとしたんですが…」

ネギはのどかを巻き込んだ責任を感じるようで、申し訳なさそうだ


「そう言う問題じゃないでしょ!? 何で私達に嘘ついて1人で行こうとしたかが問題なのよ!!」

明日菜は怒ってネギに怒鳴った


「でも、明日菜さん達は元々僕とは関係無いんですから… いつまでも迷惑かけちゃいけないってちゃんと考えて僕…」

ネギは必死に明日菜に説明するが…

ネギの言葉に明日菜はキレてしまう


「かっ…関係無いって今さら何よ、その言い方!!」

明日菜はネギの胸ぐらを掴んで、怒りをぶつける


「わわわ… 明日菜さん? いえ僕は無関係な一般人の明日菜さんに危険がないようにって…」

ネギは慌ててフォローするが、逆効果である


「無関係って! こっこの私が時間が無い中、わざわざ横島さん達に剣道習ってるの何でだと思ってたのよ!!」

「えええ!? 僕別に頼んで無いです。 何で怒ってるんですか明日菜さん」

明日菜は顔を少し赤らめながら怒るが

ネギは全く明日菜が怒る意味を理解してない


「何でって… これだからガキは! あんたが私のことそんなふうに思ってたなんて知らなかったわ! ガキ!! チビ!」

「明日菜さんこそ、大人気ないです! 年上のくせに! 怒りんぼ! おサル!!」


明日菜とネギは子供のようにケンカをしていく


そして話は全く関係無い方へ向かう

毛の生えてないガキだとか

明日菜がクマパンのパイパンだとか…


「この~!! アホー あんたなんか知らないわよ! バカ!」

明日菜は顔を真っ赤にして走って去ってしまう


「あう… 明日菜さんとケンカしちゃった… どうしよう…」

ネギは明日菜が去るとうなだれてしまった


「ネギ先生… さっきの言葉はあんまりです…」

のどかは涙ぐみながら明日菜の後を追う


「あっ… のどかさんまで… 僕はどうしたら…」

ネギは明日菜が怒る理由も、のどかが悲しむ理由もわからないまま

その場で落ち込んでしまった



「みんな若いな…」

横島はネギ達を少し眩しそうに見つめている


「あの… 横島さん、綾瀬さん… 僕は何が間違ってたんでしょうか?」

ネギは恐る恐る横島と夕映に問いかける


「私達には何も言えないです。 ネギ先生が自分で考える問題なのです」

夕映は明日菜やのどかを心配しつつ、ネギには何も言わなかった


「わかりました…」

ネギは落ち込んだまま、寮に戻っていく


「コン…」

タマモは先ほどから横島の手のひらに座っていたが、少し眠そうであった
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