その二

のどかがネギの杖に乗り、飛び去るのを寮の玄関で見ていたのは夕映であった


「おはよう、夕映ちゃん」

ネギ達が飛び去ったすぐ後、横島が現れた


「おはようです。 のどかは大丈夫でしょうか?」

夕映は心配そうにのどかを見送っている


「そう心配するな…、明日菜ちゃんのバイトが終わったら後を追うからな」

横島は心配そうな夕映の頭を撫でて笑顔を見せた


「はい、わざわざありがとうです」

夕映は少し顔を赤らめて横島を見る



何故横島がわざわざここに来たかと言えば…

それは前日の夜にさかのぼる


エヴァの別荘でゆっくり休日を満喫した横島達が元の時間に戻ると、時間はすでに9時を過ぎていた


ネギは用事があると言って先に帰ってしまい

横島は木乃香達や明日菜達を寮まで送って行くことにして、一同は夜道を歩いてる

その時明日菜とのどかから、ネギの不審な言動を相談されていた


「うーん、1人で行くんじゃないのか? ネギの行動としては間違っては無いと思うが…」

横島はあくまで推測だが、と言って明日菜達に話している

横島にしてみればどうせ止めても行くなら、1人で行く方が明日菜やのどかを巻き込むよりはいいと思っている


「水くさいじゃないの! 私達に隠して行くなんて!」

明日菜は納得がいかないようで、少し怒っている


「まあな… 明日菜ちゃん達の気持ちもわかるよ。 大切な人の力になりたい。 守りたいって気持ちはな…」

横島は少し遠い目をする

守り、守られる

そんな互いに助け合うのが、仲間なのだから…


「明日菜とのどかはネギ君が動いたら着いて行くんでしょ?」

木乃香は笑顔で明日菜とのどかに問いかける


「もちろんよ! あいつ危なっかしいんだからっ」

「私も…、着いて行きます」

明日菜は当然着いて行くつもりだし、のどかもかなり決意を固めているようだ


「なら、みんなでネギ君を見張ってればええやん。 ネギ君が動いたら明日菜とのどかに連絡して、2人がネギ君に着いて行くんや」

木乃香は笑顔で作戦を語っていく


「うん、そうね! みんなお願いね!」

「お願いします」

明日菜はやる気をみなぎらせて木乃香の作戦に乗り、のどかもみんなに頼むように頭を下げる


(結局、こうなるんだよな…)

横島は話をどんどん進める木乃香達を、少し苦笑いして見ている

明日菜は黙って待ってる性格では無いし、大人しいのどかまで積極的だ

彼女達に気付かれた時点でネギの負けである


「ク~ン…」

タマモは苦笑いする横島を心配するように見つめる


「大丈夫だよ」

横島は優しくタマモを撫でて微笑む


そんな時も木乃香達はどんどん話を進める

「ネギ先生が動くなら、早朝とかでは無いですか? 日中は学校があり忙しいですし、明日菜さん達に隠れていくなら早朝が一番かと…」

刹那は少し考えて、ネギの行動を予測する


「私もそう思うです。 放課後なども時間はありますが、ネギ先生は忙しいですから… 休日まで待つなら別ですが、早く行動するなら早朝が可能性が高い気がするです」

夕映も普段のネギの日常を考えると朝一番が可能性が高いと判断していた


「困ったわね… 新聞配達の時間に行かれたら、私は手が出せないわ」

明日菜は悩み考え込む


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