その二

横島達やネギ達がエヴァの別荘を出た次の日の早朝


明日菜が新聞配達に出掛けた後、ネギは静かに起き出す

相棒のカモを連れて、木乃香を起こさないように静かに部屋を出た


「もしもし… ネギ君動いたえ…」

ネギが部屋を出た後、眠そうな木乃香が誰かに電話をしている


そして木乃香は続けて、別の人にも電話をする

「もしもし… ネギ君動いたえ…」

「そうか… のどかちゃんはやはり着いていく気か。 わかった、ありがとう」

「うん、横島さんも気をつけてな~」

木乃香は横島に報告して、電話を切る


「さて、行くか…」

横島が着替えて出掛ける準備をすると、タマモが眠そうに起きて来た

「ク…ン」

朝早くから出掛ける横島を、不思議そうに見上げる


「起こしちゃったか… ごめんな… ちょっと出掛けて来るが、一緒に行くか?」

横島が謝りながら話すと、タマモはヨチヨチと歩み寄る

どうやら行きたいらしい


「わかった、じゃあ行くか」

横島はタマモを抱きかかえると、転移でその場から消える


その頃ネギは、寮の玄関を出たところであった


「兄貴大丈夫かよ?」

カモは少し不安そうにネギを見る


「目の前に父さんの手掛かりがあるんだ。 そこに何があるかいても立ってもいられないよ」

ネギは希望に満ちた表情で出掛けようとするが…


「やはり…、1人で行くんですね… ネギ先生」


「はぅ!?」

ネギは突然背後から話しかけられて、ビクッとする


「の…のどかさん!」

ネギは驚いたような困ったような表情になる


「アスナさんも心配してます。 もちろん…私も… なんで隠れて行くんですか?」

のどかは悲しそうにネギを見つめる


「アスナさんものどかさんも一般人の女の子なんです。 これ以上巻き込めません!」

ネギは困ったようにのどかに話すが…


「でも、嘘をつくのはヒドいです。 ネギ先生に、もしものことがあれば私…」

のどかは決して積極的な方では無いが、それでもここで諦める気は無い


「のどかさん…」

ネギは嘘をついた事は罪悪感があり言葉に詰まる


「私も行きます! 図書館の地下なら多少はお役に立てると思います」

のどかは周りの木乃香や夕映が横島に対して積極的なのを見て、自分も積極的になろうと心に決めていた

そして、強い口調と表情でネギに話している


「兄貴、嬢ちゃんの熱意の勝ちだぜ…」

「うう… 仕方ないです」

カモとネギはあきらめたように、のどかが同行するのを認める


「アスナさんも心配してますよ…?」

のどかは明日菜も連れて行こうとするが…


「のどかさん、出来るだけ魔法に無関係な一般人を危険に近付けたく無いんです。 わかって下さい」

ネギはこれ以上、人が増えないように必死だ


(魔法に無関係な一般人…)

のどかはネギの言葉に悲しみを感じてしまう

その言葉は明日菜と自分に向けた言葉なのだから…


「わかりました…」

のどかは寮の方をチラリと見て、ネギに着いていく



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