その二

それからネギは、明日菜が見つけた手掛かりが、どこにあるか地図を見て探している

「ネギ先生、これは図書館島の地下にある、幻の地底図書室です!」

のどかは地図を見て興奮気味にネギに話した


「また図書館島? あそこもやっぱり魔法使いと関係あるのね~」

良く考えてみたら、図書館島は怪しさ満点だと明日菜は思う

地底に湖があったり、石像が襲ってきたりあまりに怪しい


一方ネギは父親の手掛かりが見つかり、希望に満ちた表情で地図を見つめる


「ネギ先生、いつ行くんですか?」

そんなネギにのどかは問いかける

今回も、のどかは着いていくつもりであった

木乃香達は確実に横島に対して積極的になっている

自分もネギに出来るかぎり近付きたい

図書館島なら多少役にたてるはず…

のどかは内心燃えている


「えっ!? いや… まだ行くとは行ってませんよ?」

ネギは少し慌てて否定する

先日の試験で、自分の未熟さを痛感したネギは、明日菜やのどかを巻き込みたくない


「そうなんですか?」

のどかは不思議そうにネギを見る

ネギならすぐに行くと思ったのだ


「………」

そして明日菜も、ネギが嘘をついてる気がする


「いや、もう少し下調べしてから行くか決めますよ」

ネギは明日菜に疑うように見つめられて、とっさに嘘をつく


ネギとカモは地図を調べるのが一段落した為、少し修行をすると言い部屋を出る


「のどかちゃん、あいつから目を離さない方がいいわ。 ネギは嘘ついてる…」

明日菜は険しい表情で、ネギが居なくなった後にのどか話す


「嘘ですか…?」

のどかはあまり人を疑うとかしないらしく、気がついて無い


「ええ、なんかそんな気がする」

明日菜はうまく説明出来ないが、確信している

ネギらしくないと…


明日菜の話を聞いたのどかは、心配そうにネギが去った後を見つめる



そしてネギは…


「兄貴、本当に行かないんですかい?」

カモもネギの話に疑問を持っていたらしく、2人になった隙に真実を聞き出そうとする


「いや、行くよ。 地図にはあれ以上の情報は無いみたいだし… ただ、僕1人で行く」

ネギは真剣な表情でカモに真実を話す

その表情はやる気も見えるが、焦りも見えた

一刻も早く父の手掛かりが欲しい

ネギは待ちきれないように、拳を握り締める


「姐さん達には秘密ですかい?」

「うん、明日菜さん達には言わないで行く。 明日菜さん達は普通の一般人の女性なんだ。 こっちの世界に巻き込む訳にいかない」

カモの問いかけに、ネギは決意を持って言い切る


だが…、ネギは彼女達を見てない

ネギが見ているのは、どこかに生きていると信じる父だけである

まだ子供のネギには、彼女達の気持ちを理解出来ないのかもしれない


そして、明日菜やのどかに気付かれていることをネギは知らない


弟子入り試験で、自分の未熟さを思い知らされたネギだが…

それでも父を求める想いは止まらない


ネギは横島達や明日菜達に秘密にしたまま…

図書館島に乗り込む機会を探ることになる


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