その二

横島達がプールサイトで騒いでいる頃


ネギと明日菜とのどかとカモは、京都で泳春からもらった麻帆良の地図を調べていた


「麻帆良って、やっぱり普通じゃないわね~」

明日菜は調べてると言うよりは、ネギやのどかが調べてるのを眺めてるだけである

麻帆良の地図は、どちらかと言えば地下の地図であり、学園都市麻帆良の地下にある巨大な遺跡や施設が書かれている

ネギの父親の手掛かりを探してるのだが、明日菜では無理であった


「この地図は凄いです! 謎だった図書館島の地下から、学園内の地下に隠された施設まで書いてます」

のどかは少し興奮気味である

図書館探検部として、図書館島地下を探検していたのどかは、麻帆良の地下施設の凄さに興奮気味だ


「のどかちゃん楽しそうね…」

明日菜は少し苦笑いしてのどかを見る

普段物静かな、のどかが興奮気味に地図を見ている姿は珍しい


「この地図は凄いですよ。 夕映やハルナが見たら喜びます」

のどかは図書館島の探検に使いたいようである


「あの…、のどかさん。 早乙女さんには秘密に…」

ネギはさすがにこれ以上秘密が広がるのを避けたいようだ


「わかってます。 ネギ先生の秘密は守ります」

のどかは微妙に顔が赤い

ネギの秘密と言うことが嬉しいらしい


「でもよ。 兄貴、この地図から手掛かり探すのは大変だぜ~」

カモはため息をつきながら地図を見ている

基本的に地下に隠された施設であり、実際に確認するのは難しい


ネギはまき絵が試験をした日に、1人で地図を片手に歩いてみたが

結局、簡単に地下に行けなかった


「やっぱり地図である程度絞るしかないね… 前に図書館島の地下に行った時も思ったけど、予想以上に危険で複雑そうだし…」

ネギは少し困ったように地図を見ていく


それからしばらく、ネギ、のどか、カモは地図とにらめっこをしている

他に市販してる麻帆良の地図や、ネギが図書館から借りてきた昔の麻帆良の地図などを使って比べて見てるが、なかなか進まない


「私には無理だわ…」

勉強など考えることが苦手な明日菜は、最初の10分で調べるのは諦めて、ネギ達や地図を暇そうに眺めている
 
「ん…」

突然明日菜の表情が変わる

適当に地図を見ていた明日菜の視線が一点で止まっていた


「ねえ…、ネギ。 ここにオレノテガカリって書いてるわよ…」


明日菜はあまりにもわかりやすく、落書きのような字と似顔絵が書いてるのを見ている


「えっ!?」

「何っ!?」

「手掛かり見つかったんですか?」

真っ先に反応したのはネギ

次にカモが近寄って来て、のどかも驚き明日菜の元に集まる


「………手掛かりだー!!」

ネギはあまりに単純な手掛かりに、一瞬ショックで固まっていた


「さすが姐さん! よく見つけたぜ!」

カモは感心して明日菜を見上げる


「いや…、手掛かり探してたんじゃなくて、落書き書いてたから見ただけなんだよね…」

明日菜は少し照れたように苦笑いする

予想外に役にたててちょっと誇らしかったのは秘密だ


「暗号とかだと思ってずっと探してたのに…」

ネギはあまりに単純な手掛かりにショックのままである


「あんた時々スゴイバカよね…」

明日菜は、天才少年のネギが抜けてるのを見て呆れ気味だが、内心子供らしいネギに少しホッとしていた


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