その二

ようやくネギの弟子入り騒動が一段落したが…

横島達はまだ、エヴァの別荘に居た


「加速空間は便利だな~」

別荘のプールサイドで横島達はくつろいでいる

メンバーは、木乃香、刹那、夕映、まき絵、エヴァ、茶々丸、タマモ

ネギ、明日菜、のどかは、京都でもらった地図を調べると言って、別荘の書斎にこもっており

古は、楓に気の使い方を習うと言って修行中である


「まあな… 女にはあまり薦めんがな…」

エヴァは本を読みながら横島に答える


「なんで、女には進めへんの?」

木乃香はエヴァの言葉を不思議に思う


「この別荘の中も年を取るからな。 使えば使うほど、外の人間より年を取る」

エヴァの説明に木乃香達は微妙な表情になる

「………確かに」

夕映は、なんとも言えない表情で呟く


「俺のアジトも時間の加速は出来るけど、使ってないんだよな… 時間なんて増やしても意味無かったし…」

横島は少し考え込むように話している

神魔と同様で、寿命が無い横島は、今まで時間を加速させる意味など無かった

だがこの先ネギや木乃香達の修行の際は、加速空間にした方がいいかと悩んでいた


「あの…、横島さんも人で無いなら、年は取らないんですか?」

刹那は、遠慮がちに横島を見ている

聞いていいのか悩んだのだが、エヴァと同じように不死なのかが気になっていた

刹那が横島に聞くと、その場のみんなが横島を見る

みんな実は気になっていたようだ


「年は人間で無くなった時点で、取らなくなったな… 正直寿命はわからん。 俺のように神魔妖人の魂を融合した存在は、神でも魔でも無いからな~」

横島は軽い口調で説明して、笑っている

今の体自体は気に入っていた

みんなの力や記憶が宿っているのだから…


「実際に年はいくつなんだ?」

「うーん…、多分80才くらい。 見た目は19才くらいかな?」

エヴァが年を聞くと、横島は悩みながら答える

よく覚えてないらしい


「そうか…」

エヴァは予想よりも若いと思ったらしく、少し驚いている


木乃香達は横島の見た目が、年を取らないと知り驚くが…

それよりも、いずれ自分達が横島より年上になってしまう

その事実が重要であった


「ちょっと羨ましいな~ 年を取らないなんて…」

まき絵はボソッと呟く


「そうか? いいことばかりじゃないぞ? まあ、若返りの術も無い訳じゃないがな…」

横島が苦笑いしながら軽く話すと…


キラン!!

木乃香達は突然、目を輝かせて横島を期待するように見つめる


「うっ…!? みんなどうしたんだ?」

横島は木乃香、刹那、夕映、まき絵の熱い眼差しに、少し押され気味に問いかける


「皆さん、若返りの術に興味があるようです」

茶々丸は丁寧に説明する

木乃香達は横島に近寄り、期待を込めた熱い視線が益々強くなる

「若返りの術は使えるよ。 肉体年齢を若返らせる術とかな… ただ、家族や友達もいるだろうし… 術を受けるには覚悟がいるぞ?」

横島は木乃香達の熱い視線に、少し苦笑いしながら説明する


「今使わへんよ。 いずれ使うかもしれんけどな~」

木乃香は上機嫌にニコニコと話す

刹那、夕映、まき絵も同じく上機嫌である

やはり女性は若さには敏感なようだ


ちなみにずっと静かなタマモは…

日なたでお昼寝中である

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