その二

そして、エヴァの別荘は朝を迎える


一番早く起きたのは茶々丸である

正確には眠らない為、省エネモードで待機して居ただけだが…

茶々丸はみんなの朝食を作り始め

しばらくするとエヴァが起きて、テラスで紅茶を飲みながらゆっくりとした朝を過ごしていた


「エヴァちゃんおはよう~」

起きて来たのは木乃香と刹那

そして夕映やまき絵、ネギ達もみんな起きて来る


しかしその表情は対照的であった

エヴァや木乃香達はすでにいつもの調子に戻り、笑顔で朝を迎えている

一方ネギ達や古や楓は少し表情が固く、幾分緊張気味だ


「問題はあいつらか…」

エヴァはネギ達をチラ見して呟く


「そうやな~ 元々、ウチらとエヴァちゃん達は変わらへんからな~」

エヴァの呟きが聞こえたのは木乃香と刹那である

木乃香は自分達以外にも、エヴァ達も横島に対して変わらないのを理解していた


「ネギ先生は横島さんの言葉を理解してくれたらいいのですが…」

刹那は少し不安そうにネギを見つめる


「難しいな…」

エヴァは興味なさげに呟く


そして…


「みんな、おはよう」

タマモを抱えた横島が現れた

「横島さんおはよう!」

「おはようです」


まき絵が真っ先に駆け寄り挨拶して、夕映も続いて挨拶する

木乃香達も笑顔で挨拶して横島が座ると…


ネギ、明日菜、のどか、古、楓、カモ

このメンバーが静かに横島に近寄る


中でもネギが一番緊張して険しい表情で、後は少し緊張しているくらいである


「横島さん、よろしくお願いします!」

ネギはいろいろ考えたが、シンプルに頭を下げることを選んでいた


「明日菜ちゃん達もよく考えたか?」

横島はネギと自分を、不安そうに見る明日菜達に問いかける


「最近まで魔法使いすら知らなかった私にとっては、魔法使いが居るなら異世界人や宇宙人が居ても驚かないわよ」

それは明日菜らしい考えであった

よくわかってないと言えばそれまでだが、明日菜ならきっとわかっても同じことを言う

横島はそんな気がした


「私もよろしくお願いします」

のどかはそれ以上言わなかったが、明日菜とはまた違った考えである

横島がネギや明日菜や自分を、心配して語ったのを理解している

その為横島がなんであれ、のどかに迷いは無い


「私も稽古つけて欲しいアル」

「拙者もお願いするでござる」


古と楓は一番シンプルだった

正直、異世界の話や横島の正体の話は、全く理解してないが、自分も強くなりたいとの気持ちが全てなのだ

悪い人で無いからいい

そんな程度の理解である


「兄さん! アッシも兄さんの秘密は必ず守る! だから頼む!」

最後にネギの肩に居たカモが、真面目に頭を下げる

カモは横島の秘密の重大さを一番理解していた

だが、ネギには横島の強さが必要だと心から感じている


ネギ達は理解度や決意の度合いは違うが、みんなそれぞれ真剣に横島に答えた


「わかった… みんながそんな決断をしたならいい。 だが、決して楽な道じゃないからな…」

横島は表情を崩して優しく笑って、ネギや明日菜達を見た


そしてエヴァと横島へのネギの弟子入りが決まり

なし崩し的に古や楓までも修行に混ざりそうな気配である



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