その二

「そうか… あいつらはどんな結論を出すねかな…」

横島は少し不安そうに微笑む


「フン! わかりきったことを…」

エヴァはつまらなそうに言う

エヴァは予想出来ているようだ



そして、それぞれがいろいろなことを考えながら夜になる


横島はあれ以来、ネギ達の前に姿を現さない

別荘の別室でタマモと時を過ごしている


そして、深夜…


コンコン…

横島の部屋に木乃香、刹那、夕映、まき絵が現れる


「どうした夜中に?」

横島は驚き木乃香達を見る


「たいしたことやあらへんよ。 うちらは変わらへん。 横島さんが何者でも…」

木乃香は横島を癒すように優しく微笑み、ゆっくり歩み寄り抱きしめる


「横島さん…、うちらは頼りないかもしれん… でもな、決めたんよ。 ずっと横島さんに着いて行くって」

木乃香は今日1日で横島がかなり無理をしていたのをずっと心配していた

本当はもっと早く来たかったが、悩む明日菜達が眠るまで待っていたのだ


「横島さん…、私もお嬢様と同じです。 横島さんが戦うなら共に戦います!」

刹那は強い眼差しで横島に語り、木乃香に続いて横島を抱きしめる


「私は木乃香や刹那さんのように役にたてないです。 足手まといかもしれません… でも…、私にしか出来ないことがあると信じてるです」

夕映は少し悩みながら横島を見つめて語る

木乃香のように魔力も無ければ、刹那のように戦力も無い

だが、自分にしか出来ないことが必ずあるはずだと、夕映は自分に言い聞かせて横島を抱きしめる


前に木乃香、横に刹那と夕映に抱きしめられて、横島は木乃香達を優しく見つめる


「横島先生、ううん。 先生って呼ぶの辞めるね! 横島さん、私バカだけど… 一緒に居たい。 その気持ちは木乃香達に負けないよ!」

それはまき絵らしい無邪気な笑顔とは少し違う

ほんの少し大人の笑顔に変化を見せていた


「私は後ろだね!」

まき絵は唯一開いた後ろから横島を抱きしめる


「みんな…」

横島は木乃香、刹那、夕映、まき絵を見て安らかな笑顔を見せる


横島自身、孤独が好きな訳では無い

木乃香達の未来を心配して突き放すような言い方をしていたが…

木乃香達は変わらなかった

横島はその現実に、自分でも気付かぬうちにホッとしている


「コン!!」

いつの間にか起きていたタマモは、自分も混ざりたいようで、器用に横島の頭に登る

頭の上でタマモは嬉しそうに九本の尻尾を揺らす


「タマモちゃんも仲間やね~」

木乃香はニコニコとタマモの様子を見ている


「みんなの覚悟はわかった。 みんなの未来は俺が守る」

横島はこの地で、自分を抱きしめる木乃香達を守ることを心に誓う


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