その二

横島のあまりに常識外な話に、聞いてはいても理解出来ない者が多い


だが、表情が違う者が2人いる

それは木乃香と刹那の2人

2人は横島と仮契約した時に横島の中にある魂の一部と会っていたのだから


2人はお互い顔を見合わせて頷く


やっとあの人達の意味を理解したのだ


そして刹那はもう一つ

スクナの時に力を貸してくれた不思議な存在

あれも横島の中にある魂の一部だと理解した


「俺とタマモは不思議な関係だ。 本来出会うハズのない同じ魂を持つ者が出会ってしまったんだからな…」

横島は相変わらず少し苦笑いしているが、タマモは気にしない

横島の腕の中で幸せそうにしている


「さて、ここからが本題だ。 俺は本来ここに存在しないんだ。 ネギやみんなはよく考えてくれ。 俺のような異端者に関わっていいのかを… ここを出る時間まで考えてくれ。 俺に関わりたくない者は、悪いが今日の記憶を消してもらう。 それだけ、この秘密は危険なんだ」

横島はそれだけ話すとタマモを抱えたまま部屋を後にする


「横島の秘密が魔法界に知られれば、あいつはこの世界から姿を消すだろう… 間違っても他の魔法使い達に話すなよ。 秘密を漏らした者は私が許さん」

エヴァもそう話して部屋を後にする

茶々丸とチャチャゼロは無言でエヴァな続く


「ねえ…、そんなに危険な話なの? 確かに途方も無い話だけど…」

まき絵は横島の表情が気になったが、追いかけれなかった

そして疑問を木乃香にぶつける


「魔法界にバレたらヤバいのは確かだぜ!」

答えたのは明日菜の肩にいるカモ


「そうだね… 平行世界なんて存在が確認されたらそれだけで大混乱になるよ。 まして横島さんの力なら…」

ネギは頭を整理しながら答える


「なんか…、1日にあまりの展開に頭がついていかないアル…」

古や楓は頭が混乱している



一方横島は…


エヴァの別荘を出て、海岸で一人海を眺めていた

「ちょっときつかったかな… でも、このままなし崩しに俺に関わってもいいこと無いしな」

横島はネギや明日菜達を心配していた

少し厳しく言い過ぎたのでは…と


だが、横島は恐れていた

あの子供達を自分がいつか不幸にする気がして…


「坊や達にはいい薬だ。 学園長のジジイ共は甘やかし過ぎだからな…」

現れたのはエヴァ達である

横島は少し考え事をして気がつかなかったらしく、驚いている

「エヴァちゃん達は俺に関わっていいのか?」

横島はこんなに早く来たのに意外そうに驚き声をかける


「私まで試す気だったのか?」

エヴァは不愉快そうに横島を睨む


「俺は昔…、多くの神魔に化け物と言われた。 俺の存在がいつかみんなを不幸にする気がするんだ」

横島は寂しそうに笑う


「私も変わらんよ。 吸血鬼と言うだけで、化け物と呼ばれ人間達から差別されて来た」

エヴァは横島の隣に座りつまらなそうにそう話した


「私は…、私を生きてると言ってくれた横島さんを信じてます」

茶々丸は一言話して横島に微笑む


「オ前ハ細カスギルゼ! ミンナ好キ勝手ニ生キテル… オ前モ好キニ生キレバイイ」

チャチャゼロは特に気にした様子は無い


長い時をエヴァと生きていただけあり、今更と言ったところである


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