その二

それはネギの心にある闇


小さい頃から両親も居なく、唯一の肉親の姉もたまにしか会えない

ネギが一番求めている家族


そして、自分の村を壊滅させた魔族

ネギはこの魔族に復讐する為に今の力を得て、そしてこれからも力を求めている


幻だとわかりつつも、明日菜達は不安そうにネギを見つめており

木乃香達は驚きや困惑の表情をしている


プチン……


様々なプレッシャーと感情がぶつかりあい、ネギはキレてしまう



幻術で動けないはずのネギは突然動き出す!


幻術の魔族達に飛びかかり殴りだす


ドガ!

ズガ!

バキ!


幻術の魔族にネギは我を忘れて攻撃をしていく

その体からは魔力が溢れ出しており、暴走している


「ちっ! エヴァちゃん、みんなを頼む!」

横島は自分の幻術が中途半端に溶けたことに顔をしかめた


そして、ネギの元に飛んで行った!


パチン!

横島が指を鳴らすと、幻術は溶けて周りの景色も消える


しかしネギは止まらない


ネギは近くに来た横島に暴走したまま飛びかかり殴りつける!


「ネギ!」

「ネギ先生!」

明らかに様子のおかしいネギに、明日菜とのどかは叫ぶがネギは止まらない


「「「「「横島さん!(先生)」」」」」」


横島を心配した木乃香、夕映、刹那、まき絵、茶々丸は同時に叫ぶ!


刹那は夕凪を構えて横島を援護に行こうとするが…


「刹那止めろ! 横島なら問題無い!」

エヴァのキツい言葉に刹那は止まる


「魔力が暴走してやがる」

カモは慌てて言う


「コーン!!」

タマモはネギの魔力の大きさに驚き、横島に叫んだ



暴走して、飛びかかったネギは横島を殴ろうと攻撃をする


普段のネギの数倍のスピードで


「馬鹿野郎が! 自分を見失ったら自分も仲間もみんな終わりだぞ!」

横島は怒りネギに叫ぶが、ネギの目は虚ろで聞こえてない


ネギは暴走したまま横島に攻撃を続けるが、全てかわされる


横島は突然消える


そしてネギの背後に現れて、ネギの背中に手をおく


パシュッ!!
 
 
横島はネギを麻痺させてその体を受け止める

ネギは麻痺を受けた瞬間気を失う


「ネギー!」

「ネギ坊主!?」

「ネギ先生!」


気を失ったネギを心配して、明日菜、古、のどかがかけよる


「大丈夫だ。 魔力の暴走が収まり、気を失っただけだ」

横島は心配そうな明日菜達にため息をついて話した


「横島さん! 大丈夫ですか?」

横島はネギの攻撃を全てかわしていたが、あまり見えなかった夕映は心配そうに聞いている


「ああ、俺も大丈夫だよ」

その言葉に夕映や木乃香達はホッと一息をつく


「お粗末な結果になったな… プレッシャーと恐怖で暴走するとは」

エヴァは顔をしかめて話し掛けてきた


「いや、俺も悪かった。 ネギの心にあれだけの恐怖と闇を抱えているのに気がつかなかったとはな…」

横島は自分を責めるように拳を握り締めている


「横島さん、一体何があったの?」

明日菜は先ほど何があったかわかってない

いや、その場の者のほとんどがわかってないのだ


「とりあえず、別荘の中に入ろう」

一同は横島の言葉で、先ほど説明を受けた部屋に戻った


ネギはソファーに寝かされており、のどかが心配そうに見ている
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