「ネギ… 先生なんだろ？ 生徒にちゃんと話して、お別れを言わないとだめだよ いきなり居なくなるなんて教師失格だ」

横島は静かに少し厳しく話した

「横島さん、僕は…」

ネギがそう言っていると

「ネギー！ 本当にごめん！ 私達のせいで最終課題落ちちゃって…」

アスナが走ってきてネギに話しかけた

ネギとアスナが話してるうちに
昨日のメンバーが追いかけてきた

みんなでネギを止める

そこへ学園長が現れてその場で成績を発表しはじめた

結果は２ーＡが学年でトップになり見事ネギは最終課題に受かった


学園長は魔法の本を見せて図書館島の話などをした

「頑張ったのう。 ネギ君、合格じゃ」

学園長がそう言ってネギを中心にアスナ達が喜んでお祭り騒ぎだった


横島はその騒ぎから少し離れた場所で笑顔で見ていた…

（いい子達だな… ネギもアスナちゃん達も…）

横島にはそんなネギ達が眩しく見えた

自分の世界にもこんな人々がたくさん居たはず…

それを考えると…

世界でたった一人生き残ってしまった

世界のみんなの望みも希望も叶えることが出来なかったのに…

そんな自分が居ていい場所ではない…


彼女達の幸せの邪魔にならないように…

横島は静かにその場を去っていった……

そんな横島の姿を見ていた人物がいた

一人は学園長

それと
木乃香と夕映と木乃香に連れられてきた刹那だった


彼らに横島がどう見えたのかはわからない…

しかし
その目には横島が消えてしまいそうに見えた…




それから数日後
横島は喫茶店でコーヒーを飲みながら考え事をしていた…


ここは幸せに満ちている
幸せ過ぎて眩しい日々
俺はなぜここに来たのか…
俺の力も必要ない世界


思考が周り冷めたコーヒーを口に含む…


「こんにちは、横島さん」

横島はいきなり声をかけられた
目の前には着物を着た木乃香がいた


「もしかして… 木乃香ちゃんか？ 綺麗だね～ どうしたんだ？」

横島は木乃香の姿に目を見開いた


「木乃香さま～」

どこかで木乃香を呼ぶ声がする…

「あっ… あかん、横島さんうち逃げな…！！」

木乃香は横島の手を取ると、引っ張って逃げ出した

「木乃香ちゃん？ 何かに追われてるのか？」

横島は首を傾げながら木乃香の方を向いて聞いた


「木乃香お嬢さま！ 見つけましたよ！ 今日こそは逃がしませんよ！！」

木乃香と横島は黒服の男達に見つかってしまった…

「あかん、追いつかれてしもうた！」

木乃香は困ったような顔をして逃げようとしていた

「よくわからんが逃げたいんだな？」

事情を知らない横島が木乃香に聞くと木乃香は頷いた


横島は一歩前に出た。
黒服の男達は横島を見ると…

「木乃香お嬢さまがあっちにいたぞ！」

男達は野良犬を追いかけていった…

「さあ、どっか落ち着ける場所に行こうか」

横島は木乃香と手を繋いだまま歩き出した

木乃香は野良犬を追いかけていった男達を見ながら首を傾げていた…

「横島さん、あの人達はなんで犬を追いかけて行ったん？」

「あの人達には犬が木乃香ちゃんに見える幻術を使ったからな」

横島は悪い笑みを浮かべて木乃香に話した

「へ～　横島さんはすごいな～ そんなことも出来るんや～」

横島と木乃香は仲良く手を繋ながら話していた

「アハハ… 軽くかけたからね。　一時間もすれば戻るよ。 人間相手には幻術が一番だからな…」

横島は話ながら、自分もかけられたな… と思い出していた…
普段はクールだが、いざとなれば仲間思いな、今は亡き妖弧の少女を…


木乃香は横島が一瞬悲しみの表情をしたのを見て、横島の腕を組み歩き出した

「木乃香ちゃん！？」

横島は驚き木乃香を見るが、笑顔の木乃香に何も言えなくなった


その後
木乃香と横島は近くの公園のベンチに座って話をしていた

「お見合い？」

横島は中学生の木乃香にお見合いと聞いて理解出来なかった

「おじいちゃんがお見合い趣味でな いつも無理矢理すすめられるんよ 今日はお見合い用の写真撮らされる所やったんけど、途中で逃げてきてもーた」

木乃香は笑顔だが困ったように話した