その二

「ああ、そうさせてもらおう」

エヴァは残った酒を飲み干して話した


「二次試験は明日の夜でいいか?」

横島は詳しく決めていなかった二次試験を、いつにするかエヴァに相談した


「かまわん。 だが、明日は私の別荘を使おう。 坊やがあの調子では、誰かに見られたら面倒だ」

エヴァは少し呆れ気味に話した


「別荘って昨日アジトで言ってたやつか?」

横島はエヴァが昨日少し話していたのを思い出した


「ああ、お前のアジトよりは狭いがな… 坊やの試験にはちょうどいいだろう」

エヴァは、ネギの二次試験には別荘がいいと考えていた

ネギは魔法の隠匿が出来ない


今日はエヴァと横島が周りに気を配っていたが、面倒だった

それに、別荘は時間軸を変えてる為、外の一時間を別荘では1日に延ばしていた


どうせ今日みたいに、人数が多数来て時間がかかるなら、別荘がいいと考えていた


「じゃあ、そうするか… ついでに、あいつらに魔法やなんかを説明しないとダメだしな」

横島は別荘が時間を伸ばせるのは知らない

だが、古や楓やまき絵に、もう少し説明が必要だと考えていた

多少の実演もするだろうし、人に見られないエヴァの別荘で説明するのがいいと思った


「いいのか? あいつらを裏に巻き込んで?」

エヴァは横島を見て表情を伺った


「古ちゃんは、これからもネギの体術を教えるなら仕方ないだろ? 遅かれ早かれバレるさ。 楓ちゃんは、前からバレてたみたいだし大丈夫だろ。 後の問題は、完全な一般人のまき絵ちゃんなんだよな~ 彼女は俺がしばらく様子を見るさ。 彼女一人記憶を消すのも可哀想だしな」

横島は多少困ったように話していた


「まあ、問題は神楽坂明日菜と宮崎のどかだな…。 どこまでも坊やに着いていきそうだしな」

エヴァは古や楓はあまり気にしていなかった

二人共、一般人と裏の中間にいる人物だから、戦闘の危険性やなんかは理解してるだろと思っていた

まき絵はネギに興味が無く、横島に興味を持ってるのは見ればわかった

ゆえに、それほど危険は無いだろうと思っていた


やはり、一番の問題はネギと明日菜とのどかだった


ネギは才能や力はあるが、精神的な甘さが子供のままだ

中途半端に力があるため、一番危険だった

明日菜とのどかは、素人と変わらないのに、ネギのバートナーとして、同じ危険に合う可能性が高かった


「明日菜ちゃんとのどかちゃんか… 木乃香ちゃん達と一緒に一から教えて行くしかないだろうな…」

横島は少し苦笑いしていた

いつの間にか、どんどん人が増えていった

本来は、横島が直接面倒みる必要は無いのだが、ほっとけないのだった


若い彼女達が不幸になるのは、避けたかった



次の日の朝、寝るのが遅かったネギや木乃香達は日曜日ということもあり、まだ寝ていた


いつも通りに起きていたのは、茶々丸とチャチャゼロだけだった

チャチャゼロは暇そうにテレビを見ているが、茶々丸はみんなの朝食を用意していた


「おはよう。 茶々丸ちゃんに、チャチャゼロ」

最初に起きてきたのは横島だった


「おはようございます。 横島さん、朝食にしますか?」

茶々丸は横島が起きるのが、早かったので少し驚いていた


「もう少ししてからでいいよ」

横島はリビングに座ると、チャチャゼロが暇そうにしていた


「横島、酒飲モウゼ!」

チャチャゼロは朝から酒を飲む気だった


「さすがに朝からは飲む気になれん… 一人で飲んでくれ」

横島はそんなチャチャゼロに苦笑いして断った


「茶々丸ちゃん、そろそろまき絵ちゃんを起こしてくれないか? 彼女は今日部活のテストあるみたいだからな」

横島は料理を終えて、座っていた茶々丸に頼んだ

女の子を起こしに行くなら、男の自分はまずいだろうと思っていたのだ


「はい、他の方はどうしますか?」

茶々丸は立ち上がって、横島に聞いた


「まき絵ちゃんだけでいいよ。 後はゆっくり寝せていいよ」

横島の返事を聞いて、茶々丸がまき絵を起こして来た


「おはよ…」

まき絵はまだ眠いようで、ウトウトしていた


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