その二

刹那に続いて夕映も行動に出た

「横島さん… こちらもどうぞ…」

刹那と同じく夕映も顔が真っ赤だった


夕映は頭の中で凄まじいスピードで、自分を落ち着かせようと言い聞かせていた……

(横島さんは意識してません。 私も冷静に… 自然と… 冷静に… 自然と…)

自分に言い聞かせるように夕映は頭の中で繰り返していた


だが、その思考が余計夕映に、横島を意識させていた


「おう…」

横島は真っ赤な顔で必死に食べさせようとする、夕映を不思議に思いながらも、食べさせてもらっていた…


「美味しいよ。 ありがとう」

横島は夕映の頭を撫でてお礼を言った


「はっ… はい…」

夕映は真っ赤な顔がトロ~ンとなって横島を見つめていた


「大丈夫か? 少し運動しすぎたかな?」

横島は夕映を心配して聞いた


「いや、違うから… いい加減気がつきなさいよ…」

明日菜は苦笑いして横島に言ったが…


横島は首を傾げているだけだ


「夕映、大丈夫?」

のどかが夢見心地の夕映に話しかけた


「だ… 大丈夫です… 私には少し刺激が強すぎたです…」

夕映は真っ赤な顔を冷ますようにパタパタと扇いでいた


「私たち邪魔者みたいネ…」

古は横島達をみて呟いた

「皆さん楽しそうですね~」

ネギには横島達が、楽しそうに弁当を食べてるように見えたらしい…


ネギも結構鈍感なようだ



昼食後、ネギと古は再び厳しい修行に入った


横島達はまき絵の新体操と、明日菜の剣術は修行をしていたが、木乃香達は午後はゆっくり休みながら体を動かしていた…


木乃香、夕映、のどかは芝生に座って、明日菜やまき絵の修行を見ていた


明日菜と刹那とまき絵以外は、まだ1日中動く体力は無かったのだ…


「アスナさんとまき絵さんは体力凄いですね…」

少し疲れた様子で夕映は話していた


刹那は別格にしても、明日菜とまき絵の体力はやはり凄かった…


「アスナは体力だけは自信持ってるんよ」

木乃香は明日菜の驚異的身体能力をよく知っていた


「私達は強くなる以前のレベルですからね… 羨ましいです…」

夕映も木乃香ものどかも、見た目よりは体力はある方だ

図書館探検部の活動で、あの図書館島を探検しているのだから……


だが、それは一般女子中学生のレベルで、まだまだ体力が足りなかった…


「運動量のわりには体が疲れるね…」

のどかも少しお疲れのようだ


「横島さんは私達の全身の筋肉を考えて、運動させてますからね… 体にかかる負荷も図書館島の探検よりは多いです」

夕映は横島の指示の意味をある程度理解していた


それから夕方まで修行をしていた横島達は、今日も横島の家で夕食をとることになった


ただ、今日はネギと明日菜とのどかと古は来なかった

明日菜がネギを風呂に入れると、気合いを入れて連れていったのだ

のどかは心配そうに二人についていき、古は約束があるからと帰った


後の木乃香、刹那、夕映はいつもなのだが…

今日はまき絵も横島の家に来た


木乃香達は慣れたように、手分けして料理や掃除を始める

まき絵も木乃香と一緒に料理を始めた


「みんな、掃除はしなくていいぞ? やっぱり生徒に掃除させるのはマズい気がするしな…」

横島は苦笑いして、掃除中の刹那と夕映に話した


「ダメです。 放っておけば、家中が埃だらけになるです。」

夕映は掃除機をかけながらキッパリと横島に答えた

「そうですよ? 前も自分でやるからって言ってやらなかったじゃないですか…」

刹那はテキパキと雑巾で部屋の物を拭いていた


「いや… 汚れたら掃除しようと思ってたんだけどな…」

横島は頭をかきながら、困ったようにしていた


「横島さんは、部屋でゆっくりしてて下さい。 掃除はすぐに終わりますから」

刹那にそう言われて、横島は結局言われた通りにしていたのだった……

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