その一

それから横島達は気を取り直していた

エヴァは興味深げに酒樽や瓶に入った酒を見ていた

茶々丸は珍しいのか、ハニワ兵を見ている

「横島、年代物のワインはどこだ?」

大量の酒に探すのが面倒になったエヴァが横島に言った


「俺もわからんよ。 ハニワ兵、古いワインのとこに案内してくれ」

「ぽー!」


横島が近くのハニワ兵に命令するとハニワ兵は歩き出した


横島達はハニワ兵に着いていく…


「ところで… なんでハニワなんだ? もう少しマシな容姿にすればいいのに…」

エヴァは周りの酒を見ながら横島に聞いた

エヴァは横島が趣味で作ったと思ったらしい


「俺が設計したんじゃないよ。 俺は作って使ってるだけからな。 知性もあるし、意外に何でも出来るから便利なんだよ…」

横島は苦笑いしていた


「数はかなりいるのですか?」

茶々丸は不思議なハニワ兵に興味があるようだ…


「うーん… 20~30万体はいると思うが… ハニワ兵を管理してるのは俺じゃないからな 詳しくはわからん…」

横島は首を傾げて答えた


「そんなに居るのか!?」

エヴァは驚いて横島を見た


「ああ、この空間を作った時、加減が出来なくてな… 馬鹿みたいに広いんだよ… 空間の維持管理から、食料などの生産まで仕事はいくらでもあるからな…」

横島は考えながらエヴァと茶々丸に説明していた


「ぽー!!」

ハニワ兵が止まった

「この辺りが一番古いってさ… 50年以上古いやつもあるぞ?」

横島は棚に並ぶワインを見てエヴァに数本渡した


「すごいな… いくつかもらって帰っていいか?」

エヴァは興味津々でワインを選んでいた

「かまわないよ。 毎年作ってるからな… 飲まなきゃ貯まるだけだ」

横島は気にした様子も無く、ハニワ兵にワインを持たせていく…


「ワイン以外ハナイノカ?」

チャチャゼロは他の酒が飲みたいらしい…


「あるよ… 日本酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、シャンパン…… その他いろいろあるはずだよ」

横島は自分が飲む種類を上げた


酒は基本的に美神令子が作らせた物である… 
味、種類、量ともにたくさんあった
 
 
広い世界に令子は、遠慮せずに好き勝手に酒を作らせた


平和になれば売りさばけるとの思惑もあったらしいが……


「ブランデーガ欲シイナ」

チャチャゼロはニヤリとして言った


「ハニワ兵、ブランデーを数本持ってきてくれ!」

横島が命令すると、ハニワ兵の一体がどこかに走り出した


それから横島達は、エヴァが興味のある酒を何本も選んで家に帰った

横島のリビングには30本ものワインとブランデーが数本並んでいた


横島とエヴァとチャチャゼロは、茶々丸の作ったつまみを肴に酒を飲みだした…


「うむ… 美味い! ハニワが作ったとは思えん…」

エヴァは満足そうにワインを飲んでいた


「オ前イイナ… 毎日飲ミ放題ダ…」

チャチャゼロはブランデーを飲みながらナイフで遊んでいた…

「欲しけりゃ今度から持っていくよ」

横島は酒を飲みながらナイフを持つ、チャチャゼロに少し引いていた…


「昔の仲間がハニワ兵に無理難題を言って作らせたワインだからな… その後はあの倉庫にずっと寝かせてたしな」

横島はチャチャゼロは見ないようにして、エヴァに話しかけた


「私も今度自分の好みのワインを作らせたいな…」

エヴァはニヤリとして横島を見た

「別にいいけど… 飲むまで時間かかるぞ?」

横島は苦笑いしてエヴァに答えた


「かまわん。 どうせ毎日暇だしな…」

エヴァは楽しみなのか機嫌が良かった



それから数時間…


あれだけあった酒の大半が空になっていた…


今の横島はあまり深酔いすることは無かった

人間で無いため、アルコールがあまり効かないのだ

神魔も酒を飲むが、人間とは強さが全然違った

エヴァも魔族に近い体質な為、二人はほろ酔いで飲み続けていた…


横島は一人座って周りを見ている茶々丸を見た


「茶々丸ちゃんも酒を飲めたらいいのにな~」

横島は一人食事をとれない茶々丸を前から気にしていた

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