その一

木乃香達はいつものように体力作りをしていた

基礎体力と柔軟体操などをしている

修行を始めて数日…

まだまだ、体を動かしてるだけだ…

横島はまだ中学生の木乃香達に無理をさせるつもりは無く

体の成長と共に数年かけて一人前にするつもりである…


刹那と明日菜の剣術はかなり順調だった…

基礎をして、途中刹那との試合をしたりして、体に覚えさせるように修行していた

その飲み込みの速さには、横島も刹那も驚いていた


それからまき絵だが…

彼女も技の完成度などが上達していた


横島のアドバイスも一般的だが的確で、気持ちを込めた演技に慣れてきていた…


それからしばらくして、木乃香達とまき絵と刹那は休憩していた…


明日菜は相変わらず体力があって、今度は横島相手に修行をしていた

休憩中の木乃香達は、そんな横島と明日菜を見ていた


「アスナは剣道習ってるし… 木乃香達は護身術でしょ? なんでイキナリ始めたの?」

まき絵はふとこの前からの疑問を、木乃香達に話した


まき絵の話に木乃香達は、少し困った顔でお互いを見合わせて考える…

どこまでどう話していいか難しかった…

「う~ん… 大切な人の側にいる為かなー」

木乃香は困った顔でまき絵に答えた

そして笑顔で横島をジッと見つめていた


木乃香は修学旅行の時を思い出していた…

横島や刹那やエヴァ達にずっと守られてばかりだった…

そんな自分が少し悔しかったのだ

横島や刹那やみんなの力になりたかった…


まき絵はそんな木乃香を静かに見ていた…

「木乃香も変わったね… 横島先生の影響かな?」

まき絵は微笑んで木乃香に話した


「うん! そうやえ… ウチだけやない、せっちゃんも夕映も同じやえ」


木乃香は笑顔でまき絵に話した


「はー… ライバルが多いな~」

まき絵は木乃香、刹那、夕映を見て呟いた


「諦めるんですか?」

夕映はまき絵を見て聞いた


「ううん、諦めないよ! 私は横島先生が好きだから」

まき絵は自然な笑顔を見せていた


木乃香達とのどかは、まき絵がはっきりと気持ちを話したのに驚いていた


「ライバルが増えたな~ みんなで纏めて面倒みてもらおうかー?」

木乃香はニコニコと爆弾発言をしていた

「お嬢様!」

刹那は木乃香の大胆な発言に驚いていた

「木乃香… 大胆です…」

夕映も顔を真っ赤にしていた


「いい考えやと思うけどなー みんな幸せになれるし…」

木乃香は驚いている刹那と夕映を不思議そうに見ていた


「う~ん… 木乃香なかなか冴えてるわね! ライバルが多いならみんな味方にすればいいのよね!」

まき絵は木乃香の考えに感心したように話した


「あの… そう言うのってまずいのでは…」

のどかは想像したのか、顔を赤らめて遠慮がちに突っ込んだ…


「う~ん… でもな… 横島さんの性格を考えたら、ウチらから1人選ぶのは無理やし… ならいっそ纏めて面倒みてもらった方がいいと思うんよ」


木乃香は結構真面目に考えていた

横島の優しい性格を考えたら、誰かを傷つけてまで1人を選ぶのは無理だと思っていた


それよりは、纏めて面倒みてもらう方が可能性が高いと考えていたのだ


「どっちかと言うと、横島さんは私達を女としてではなく、保護者のような目で見てるです… 問題はそちらが先かと…」

夕映は木乃香の話に現在の自分達の関係を考えていた


横島は自分達を女としてではなく…

極端に言えば子供のように見ている

夕映はそれを感じていた


それが横島の過去や何かと関係あるかはわからないが…

自分達が横島に踏み込むには、もう少し横島に女として意識させなければならない…

夕映はそう考えていた


「じゃあ、もっとみんなでアピールしないとね!」

まき絵は木乃香や夕映の話を気に入ったらしく、やる気を出して燃えていた


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