「えー！ 離れたくないな～」

木乃香は寂しそうな目で横島を見つめた

「う゛… そんな寂しそうに見つめられるとつらいな… だけど、ハニワ兵を外に出すと騒ぎになるからな～」

横島は困った顔で考え込んだ


「うーん…、今度からはいつでもここに来れるようにするからさ！ 我慢してくれないか？」

横島は考えたが、やはりハニワ兵を外に出すのはまずいと思った…


「お嬢様… 横島さんが困ってますよ。 また今度遊びに来ればどうですか？」

刹那は困った様子の横島に助け舟を出した

「うーん… わかったわ… ハニワさんまたね…」

木乃香は寂しそうにハニワ兵を放した

「ポー！ ポー！」

ハニワ兵は別れを惜しむように木乃香に手をふっていた


「ハニワ兵は何で木乃香ちゃんにあんなに懐いてるんだ…？」

横島は不思議そうに首を傾げた


木乃香を説得した横島達はアジトから家に戻った


「実際に見ても信じられません… 世界には不思議なことがたくさんあるのですね…」

夕映はアジトへの扉を見つめて呟いた　
　
「アハハ！ このアジトは特別だよ。 俺のとっておきだからな… ネギ達には秘密にしてな」

横島は夕映を見て笑って話した

「そうですね… 横島さんは特別ですね…」

刹那はしみじみ言った

「ハニワさん…」

木乃香はまだ名残惜しそうだ


「今度、木乃香ちゃん達も自由に入れるようにするからさ…」

横島は木乃香が可哀想になって、笑顔で頭を撫でて、そう話した


木乃香はそんな横島を見て、ワガママを言ってしまったな…

そう思って後悔し始めた



「横島さん… ありがとう。 ウチの為に指輪まで作ってくれて… ワガママ言ってごめんな…」

木乃香は少し元気無く、うつむきながら横島に話した


もしかしたら、嫌われたかな…

そんな不安がでていた…


横島はそんな様子の木乃香を見て、ハニワ兵と別れて寂しいのかと思った

「気にしなくていいよ。 仲間だろ？ 今度はゆっくり遊びに来ればいいよ」

横島は優しく微笑んで木乃香に話した


「うん！ 横島さんありがとう」

木乃香は嬉しそうに笑って横島に抱きついた


横島はそんな木乃香を優しく見つめて頭を撫でた

木乃香は頭を撫でられて、気持ち良さそうに横島に抱きついていた


刹那と夕映は、そんな横島と木乃香を少し羨ましそうに見ていたが…

言葉には出せなかった…


横島は木乃香の姿にシロとタマモを思い出していた

ちょうど同じくらいの姿なのだから…


（昔、よくあいつらの頭を撫でてたな…）

横島には嬉しそうなシロの笑顔と、少し照れていたが黙って頭を撫でられていた、タマモの笑顔が浮かんでいた


今は亡き二人を思い出して、優しく悲しい笑顔になっていた…


「横島さん…？」


夕映が横島の表情が変わったのに気がついて声をかけた

夕映の言葉で、刹那と木乃香も横島を見た

「さて、そろそろ行くか？ 明日菜ちゃんやまき絵ちゃんが待ってるな…」

横島は何もなかったように笑って、朝夕と運動をしている場所に向かった


木乃香達は、横島と一緒に居る心地よさを感じて幸せだった…


そして、この人を離してはいけない

何故かそう思っていた……


横島達が到着すると、ネギと古はすでに修行を始めていた


朝とは違い真面目に組み手をしていた


「横島先生おそーい！」

横島を見つけると、まき絵がほっぺを膨らませて抗議する

「ごめんな～ 少し用事があってな～ それじゃさっそく始めるか！ 明日菜ちゃんは刹那ちゃんと朝の続きで、木乃香ちゃんと夕映ちゃんとのどかちゃんは柔軟体操からゆっくりな… まき絵ちゃんは基本動作から練習な」


横島が１人ずつに指示を出して、それぞれに運動を開始する