横島は三人を連れて地下室に入った


「この家は地下室もあるのですね…」

刹那は少し驚いたように話した


「ここで作ってるん？」

木乃香は何もない部屋に不思議そうに聞いた


「いや… ここら入り口だよ」

横島はニヤリと笑った

木乃香、刹那、夕映は不思議そうに横島を見ていた


横島は扉の前に立った…


「コード・横島忠夫…」

横島が呟くと扉が開いた！

木乃香達は横島に続いて中に入る…


木乃香も刹那も夕映も驚きを隠せなかった…


暗い地下室の部屋なのに、全く違う部屋に出たのだから…


しかも、中華風と和風が混じった不思議な部屋なのだから…


「あの… 横島さん… ここは地下室なのでは…？」

驚き言葉がでない木乃香と夕映

唯一言葉を話せたのは刹那だった…


横島は少し困ったような顔になり説明しだした

「ここは異空間だよ。 そこにある俺のアジトだよ。」

横島は簡単に説明した

「異空間ですか… まさか異空間にアジトを持っているとは…」
刹那がそう呟いて窓から外を見ていた


「どこまでが横島さんのアジトなのですか？」

夕映は広い家や、窓から見える自然に目を輝かせていた


「うーん… とりあえず、見えるとこは全部かな… このアジトは俺が作ったしな」

横島は驚きが収まらない木乃香達に、苦笑いしながら話した

普通に考えたら有り得ないのだから、しかたないな…

横島は驚いている木乃香達を見て考えていた

「へっ…！？」

木乃香達は横島の言葉を理解出来なかった


「元々はアシュタロスがアジトに使っていたんだよ… それを俺が改造したんだ。 神術や魔術を混ぜて作ったからな…」

横島は、うっかりアシュタロスの名前を出してしまった…


「アシュタロスって誰なん？」

木乃香と刹那は不思議そうな顔だったが…

夕映は顔が引きつっていた

夕映は横島が前に話していた、神族や魔族が仲間だったと言う話を思い出していた…

そして、得意の高速思考で一つの可能性を導き出していた


「まさか… 地獄の大公爵のアシュタロスでは…」

夕映はまさかとは思いつつ聞いた


横島は顔色が悪くなった…

ついアシュタロスの名前を出してしまったが…


横島は過去を木乃香達に話す気は無かった

横島は少し考えて答えた

「ああ… そうだよ。 さすがは夕映ちゃんだな～ よく知ってるよ」

横島はあまり暗くならないようにわざと明るめに答えた


「そんな… 信じられません…」

夕映は自分で聞いたのに驚き言葉に詰まった


「そのアシュタロスって何者なのですか…？」

不思議そうな刹那が横島と夕映に聞いた

「アシュタロスは最上級魔族だよ。 俺の世界では魔界の六大魔王の一人だったやつさ… 昔ちょっと関わりがあってな…」

横島は刹那と木乃香にわかるように簡単に説明した


横島自身は暗くならないように気をつけていたが…


木乃香達は気がついていた

横島の瞳が一瞬悲しみに満ちたのに…


夕映も木乃香も刹那も、横島の抱える深い悲しみに、アシュタロスが関わっているのを感じていた


しかし、あんな瞳をした横島にそれ以上聞けなかった


木乃香達は横島を愛おしく、抱き締めたかった


しかし…

さすがにこの場所では行動を起こせずに、横島に案内されて廊下を進む


「本当に広い家やな～ 京都のウチの家も広いけど… ここも広いな～」

木乃香は長い廊下やたくさんの部屋を見て、ニコニコと話した


木乃香は考えていた

横島がいつか過去を打ち明けてくれる日まで待とうと…

そして、自分は優しく横島を包んであげたいと…