その一

「茶々丸は強いアルか?」

古は少し考えながら聞いてきた

「ああ、強いよ。 スピード、技ともにかなり強い」

横島は古に茶々丸の強さを、ある程度説明した


「ネギ坊主には無理アルよ?」

古は驚いて横島に聞いた

「戦いは常に強い相手と戦うのが当然なんだよ… 相手が強いなら勝てる方法を考えるしかない」

横島は少し考えて、苦笑いして古に話した

「それはそうアルが… いくら何でも、3日で試験はあんまりアル…」

古とて、表の世界では戦いに身を置くもの

横島の話が正しいのは理解している

だが、戦いに素人なネギには無謀すぎる試験だと思った


不思議そうな古に横島は困ったように話し出す

「俺からはこれ以上言えん。 後はネギに聞いてくれ… ただ、ネギには必要な試験なんだよ」

横島がそう話すと古はネギの元に戻り、ネギと話していた


「クーちゃんに魔法バレるの時間の問題やな~」

話を聞いていた木乃香がニコニコとやってきた

「やっぱりそう思うか?」

横島は困ったように聞いた

「ネギ君じゃ隠しきれんと思うわ~」

木乃香は苦笑いして話した

「困ったな~ そのうちクラスみんなにバレそうだな…」

横島は予感めいた考えを、ため息と共に話した


「横島さん… 実際試験でネギ先生が勝つ可能性はあるのですか?」

刹那もやってきて、横島に聞いた

「勝つ方法はいくらでもあるだろ? 罠を作るとか助っ人呼ぶとか…」

横島は刹那に説明した

「中国拳法の試験ではないのですか?」

刹那は驚いて横島に聞いた

木乃香も驚いて見ていた

「別に拳法以外使うなとは言ってない… ダメと言われたこと以外ならアリだよ」

横島はニヤリとして答えた

「そう言えばそうですね…」

刹那も盲点だったらしく苦笑いしていた

「ネギの弱点は、あの真っ直ぐすぎる頭なんだよ。 善か悪… 敵か味方… 戦うか戦わない… あまりにも真っ直ぐに考えすぎる… 戦い方も常に正面からぶつかるばかり… あれじゃあ、人並みにしか成長せん。 ネギが求める強さの最大の障害はネギの堅すぎる頭なんだよ」


横島は真剣な表情で刹那と木乃香に説明した


「そうなんや~ ウチにはまだわからんな~」

木乃香は不思議そうに聞いた

「戦いは相手の力は最低限に…、自分の力は最大限に… が基本なんだよ。 そして、実戦ではなんでもありだ… 負けたら死ぬ! 死ねば卑怯などとは言えないんだ…」

横島は優しく木乃香に説明した

説明する横島の瞳が一瞬悲しみに満ちたのを、木乃香は見逃さなかった

修学旅行以来いろいろあって、こんな瞳をした横島をあまり見なかったが…

久しぶりに見ていた


木乃香は横島の悲しみを癒やすように、優しく微笑んだ

「横島さんは優しいな~ ネギ君のことちゃん考えとるね…」

木乃香は微笑んだまま、そう話した


横島は驚いたような表情で木乃香の話を聞いていた


自分はあまりネギに、関わるつもりは無かったのだが…

いつの間にか関わっている

そんな自分に苦笑いをしていた

「あんまり関わるつもりは無いんだがな… ほっとけないのも事実なんだよな…」

横島は苦笑いしたままつぶやいた


そんな横島と木乃香と刹那の様子を、少し離れた場所で休憩していたまき絵は微妙な表情で見ていた…


「横島先生って木乃香と仲いいわね~」

まき絵は近くに居た夕映、明日菜、のどかに話した

「横島さんがこの街に来て、最初に知り合ったのが木乃香と私ですから… 危ない人に襲われたとこを助けてもらったのです」

夕映はいつものように不思議なパックジュースを飲みながら話した

「そうなの?」

明日菜は驚いて聞いていた

のどかやまき絵も驚いて見ていた

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